考えるのに時間がかかる人と、すぐに答えが出せる人がいます。
もちろん、相手が要求しているレベルに達しない答えをだすのは時間云々ではなく品質の問題ですが、短時間に答えを出せる人ほど品質がいい(思考レベルが高い)という傾向も見逃せません。これはトレーニングと先回り思考が有効です。
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ゆっくりと考える人が多いのだが、ごく一部の優れた人は、高速で動き大きな成果を出す。
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ただ、そういう人は本当にごく一部だ。ほとんどの人は延々と時間をかける。しかも、急いでも急がなくても思ったように考えが深まらない。時間を2 倍かけると2 倍よい内容を考え出せるかというと、まずそんなことはない。
どうしてこういう差が生まれるのか。
一つは、前章でも述べた訓練の欠如だ。どうすれば効率よく進めることができるか、素早く考えをまとめ、分析をレ、深掘りをし、わかリやすく整理して仕上げられるか、周りを動かして一気に成果を出せるか、という訓練が学校でも会社でもほとんどない。
新入社員は、書類の書き方や礼儀作法については教わることが多い。ただ、瞬時に情報を把握すること、問題点を整理すること、解決策を考えることなど、「考える」という基本作業に関してはほとんどトレーニングされない。
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もうひとつは、生産性という概念の欠如だ。製吐追現場の生産性向上にはどんな会社でも取り組むが、企画書・報告書作成、メールのやり取りなどのデスクワークに対しては、生産性という概念があまり広まっていないし、体系的な努力もほとんどされていない。あまりに仕事が遅ければ「遅い!もっと早くやれ」という叱責はあるだろうが、人によって内容によって、かかる時間に差があるのが当然という暗黙の了解がある。
製造原価は1 円あるいはそれ以下の単位で管理するが、どれだけ速く考えているか、どれだけ早く決断しているか、どれほどすさまじく頭が回転しているかどうかについてはそれほど問われない。
赤羽雄二(著) 『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』
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優れた経営者、優れたリーダーはどうして即断即決できるのか。
普段からその問題について考え続けているからだ。
必要な情報収集も怠らない。常に感度が高く、アンテナが強力に立っている。その分野の専門家とのネットワークも豊富に持つ。信頼できる相談相手が何人もいる。最善のシナリオ、最悪のシナリオも常に考えている。どこを押すとどうなるか、競合の動きなども全部頭に入っている。
そういう臨戦状態にいつもいるので、何が起きても驚かない。慎重でいながら正確、かつ電光石火とい1つことが十分できる。
赤羽雄二(著) 『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』
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