Category: お勧めの本
ビジネス心理術辞典
すべてのビジネスマンにすぐに役立つ心理学を基本にした行動のガイドをしてくれる一冊です。
心理学はわかったようでわからない難解な用語を連発されてすぐにケムにまかれたり、わかったような気になっても具体的に実際にビジネスの場でどう使えばいいかわからないものが多いですが、この本は心理学の背景を説明するのではなく、どうやったらビジネスをもっとうまくやるかの具体事例を教えてくれる本です。
最初は気が付きませんでしたが、本書の表題は「心理術」であって「心理学」ではない。つまり、人間の心理を利用した行動に焦点が当てられており、学術的な背景はおいておいて
「要するにどうすればいいのよ」
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あなたを天才にするスマートノート
あなたはなぜチェックリストを使わないのか
仕事の出来栄えが、よかったり悪かったり、ばらつきが大きいと感じたことはありませんか。
特に仕事を始めてから10年未満の方にはぜひ読んでほしい1冊の紹介。
あなたは1日のうち、どれくらいの比率で、まったくやったことのない仕事をしますか?
ほとんどの方は、ほぼゼロだと思います。
つまり、あなたの仕事は、あなた自身が過去にやったことがあり、それの焼き直しである場合がほとんどなのです。それが徐々に少しだけ仕事内容が複雑になっていたり、短時間での処理を求められるようになるだけです。
そのとき、より短時間で、より高度なやり方ができるようになるための唯一の方法が、
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あなたはなぜチェックリストを使わないのか
仕事の出来栄えが、よかったり悪かったり、ばらつきが大きいと感じたことはありませんか。
特に仕事を始めてから10年未満の方にはぜひ読んでほしい1冊の紹介。
あなたは1日のうち、どれくらいの比率で、まったくやったことのない仕事をしますか?
ほとんどの方は、ほぼゼロだと思います。
つまり、あなたの仕事は、あなた自身が過去にやったことがあり、それの焼き直しである場合がほとんどなのです。それが徐々に少しだけ仕事内容が複雑になっていたり、短時間での処理を求められるようになるだけです。
そのとき、より短時間で、より高度なやり方ができるようになるための唯一の方法が、
経験を活かす
ということです。経験を活かすためには、過去の土台をきちんと明文化しておくことで、確実に過去やったことを活かせるようになります。
この明文化したものをチェックリストと呼びます。
本書は米誌「TIME」で2010年の「世界で最も影響力ある100人」に選出された、医師でありジャーナリストでもある著者、アトゥール・ガワンデ(Atul Gawande)が提言する全米ベストセラーとなった「チェックリスト」作成のススメ。
本書の殆どの部分は、医療に関するお話ですので、直接的に仕事に役立つノウハウが書いてある本ではありませんが、本書を読むと、「チェックリスト」というのはすべての人に有効なのだ、と心から思えるようになる一冊です。
私はこの本を読んでから、作業をするときには、チェックリスト開いてから作業するようになりました。もし該当のチェックリストがなければ、新しく作る。あれば、そのチェックリストを開いて、作業手順をチェックする。現実と合わなければその場で修正するようにしてます。
それで書きためてきたチェックリストは、85種類。
チェックリストは、
仕事チェックリスト.xls
というファイルにシチュエーションごとにシートを作り、その仕事の作業の時系列順にやるべきことが書いてあるだけのものです。
単純にこれを見ながら作業をしていれば、一定の水準の成果が常に出せるようになります。
若い人から、設計のレビューを受ける時がありますが、これもそのチェックリストに書いてあることを順番に質問するだけです。毎回同じ事を聞くのに、同じ事で答えに窮するというのは、ちょっとビジネスマンとして「アレ」ですよね。
上司は、「こいつには以前にも同じ事を聞いたよな」というのは結構しっかり覚えてます。
一度指摘されたことは2度と失敗しないように、ちゃんと記録して、再発防止をしないと、失格者の烙印が待ってますよ。
本書の中で、チェックリスト作成の本当のコツが具体例とともに書かれてます。
私が読み取れたそのコツとはたった3つ。
一時停止点(ポーズ・ポイント)を決める
チェックリストのタイプ、行動のち確認/読むのち行動を決める
キラーアイテムに絞る
■要約
現代医療に欠かせないものにICU(集中治療室)がある。しかし、ここでは複雑極まりない作業が、ひとつの遅れもなく実施されていなければならない。そうでなければ患者は死んでしまう。
たとえば中心静脈カテーテルを挿人する際の感染予防の手順は
石鹸で手を洗う |
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患者の皮膚をクロルへキシジンで殺菌する |
滅菌覆布で患者を覆う |
マスク、滅菌ガウン、滅菌手袋をつけ、カテーテルを挿人する |
刺入点をガーゼなどで覆う |
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■キーポイント
★P17−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
彼らは、どうして私たち人間は失敗してしまうのかについて考えた。2人によれば、多くの場合は「無理」が原因だ。私たちは、この世界の大部分を理解することも、それに対して影響を及ぼすこともできない。科学技術の助けを借りても、私たちの肉体と精神に
は限界がある。人間は全知でも全能でもないので、どうしても無理なこともあるのだ。
一方で、高層ビルの建設、大雪の予知、心筋発作や刺し傷の患者の治療など、私たちができることもたくさんある。そして私たちが何かをできる領域では、失敗の原因は二つだけだ、とゴロビッツとマッキンタイアは言う。
一つめが「無知」である。科学は発達したが、わかっているのはまだほんの一部分だ。建設できないビル、予知できぬ大雪、治せない心筋梗塞など、私たちが知らないことはまだまだ多い。二つめが「無能」だ。正しい知識はあるのだが、それを正しく活用できない場合を指す。設副ミスで崩落する高層ビル、気象学者が予兆を見落とした大雪、凶器が何だったかを聞き忘れることなどがこれにあたる。
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★P139−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
彼らはチェックリストを使う人たちは馬鹿だと思い込んでいるから、全ての手順を細かく書き出そうとする。脳を活性化させるのではなく、眠らせてしまうようなチェックリストを作ってしまう。
一方、良いチェックリストは明確だ。効率的で、的確で、どんなに厳しい状況でも簡単に使える。全てを説明しようとはせず、重要な手順だけを忘れないようにさせる。なにより実用的であることが良いチェックリストの条件だ。
だが、どんなに良いチェックリストにも限界がある、ということをブアマン氏は強調した。熟練者が複雑な工程の管理や複雑な機械の設定をするのを手伝うことはできる。やるべきことの優先順位を付けたり、チームワークを高めるきっかけを作ることもできる。でもチェックリストを渡しただけでは誰も使ってくれない。
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★P142−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
チェックリストは長すぎてはいけない。原則として項目の数は五個から九個にしておくと良い。人間の脳が一度に保持できるのもそれくらいだと言われている。
だが、ブアマン氏によれば、これは絶対に守らなければならないわけではないそうだ。「20秒しかない場合もあれば、数分の猶予がある状況もある。そのチェックリストが使われる状況に合わせて作ればいい」ただし、一つの一時停止点に60秒から90秒かかってしまうと、チェックリストはかえって邪魔になってしまうことが多いそうだ。また、ずるをしたり、手順を省いたりされやすくなる。
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★P143(72)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
チェックリストの文章はシンプルで明確でなくてはいけない。その業界にいる人ならば誰でも知っている言葉のみを使うべきだ。そしてチェックリストの見た目も実は重要だ。理想的には一ページに収まり、余副な装飾や色使いは避け、大文字と小文字を使い分けて読みやすくしてあるものが良い。
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