議事録って簡単そうに見えるのですが、仕事の基本的なスキルなので、比較してみると、仕事が出来る人出来ない人では歴然と差があります。

私の部門では、議事録を書くことで仕事力のトレーニングをするよう推奨してます。

■議事録は新人の仕事


大抵の場合、議事録係はその会議で一番若い人か、居なければ新人の仕事です。
これはOJTを兼ねており、

 ・人の話のポイントを要約する
 ・その議題になっている業務を理解する
 ・PCへの入力速度を早くする
 ・決定事項と単なる話題を見分ける
 ・情報を整理する

をトレーニングしていることになります。

ただし、入力したものをプロジェクタに表示しておかないと、指摘ができない(後だと忘れてしまう)ので、議事進行用のプロジェクタと議事録表示用のプロジェクタの2つを会議室においてあります。
と言っても、すべてのミーティングスペースに2つプロジェクタを買うことは予算上難しいので、使わなくなった古いモニタがおいてあるだけの場合も多いですが。

■会議のポイントをかけるようにする


会議の目的は、議事録そのものであることはありません。

打ち合わせをして、何かを決定することです。意思決定の場合もありますし、次のアクションであることもあります。
その情報の共有が1日遅れ、2日遅れでは仕事のスピードは上がりません。また決定事項も何かに書かれていなければ忘れてしまいます。

ウチの会社では、特別な理由がない限り、事務用PCは全員ノートPCです。さらにすべての打ち合わせスペースには有線LANが引っ張ってあり、無線LANもそれなりの品質で受信できるように環境整備をしています。
つまり、議事を取るのに困ることはありません。

ただし、すべての発言を記録しようとすると、よほどのスピードでPCを操作できないと破綻してしまいます。
したがって、
 ・決定事項
 ・決定事項の理由
この2つを優先的に記録するように議事録係の教育をする必要があるわけです。と、言っても議長が議事進行中に議事録をチェックして、抜けているようなら「ここは記録しろよ」とか言うだけですが。

さらに、単なるテキストなので、だらだら書くと、どこが決定事項で、どこがアクションなのかがわからなくなってしまいます。
つまり、見やすくする工夫が必要なんです。


■若手の教育にうってつけ



これだけで新人をはじめとする若い人に、リアルタイムに人の話を要約するスキルがついてきます。

もし、あなたが人の教育を任されているなら、あなたの参加する会議に連れて行って、議事録を取らせてみてはいかがでしょう?
きっと基本的な仕事力がアップしますよ。

一番いいのは、教育するあなたが議事録を作り、同じ議事録を新人に取らせてみることです。
そして2つを比べて、なぜこういう議事録になったのかを比較検討してみるといいでしょう。

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