なにかの新しい提案をする時、その提案を受けいれてもらうためのプレゼンの導入部分で、重要な4つの戦略があります。
・「これ」がなかった過去にどのような不利益があったのかを説明する
・現在、どのような問題があるのかを説明する
・この提案を受け入れたときのメリットを説明する
・この提案を受け入れないときのデメリットを説明する
の4つです。
■4つの基本戦略
提案の方法として、どれが優れいてるかということはありません。
どれもある場面では優れており、ある場面では効果が低くなります。
なので、本稿の結論を先に行ってしまうと、
4つともの資料を用意し、相手によって使い分ける
ということです。
人は、同じ説明をしても受け取り方が異なります。それは人それぞれごとに、不安になったり、同感したりするポイントが異なるからです。
ある役員は、「将来会社がどのくらい儲けられるか」に強い興味があり、別の部長は「今をどのように効率化するか」に興味があるという具合です。
将来の利益に強い関心を示している役員に対して、「いまこんな問題があります」と説明しても、「そうなの? 今なんとかやれているならそれで頑張ってよ。それに1億円も投資できないし」になってしまいます。逆に、「これをすれば、3年後に3億円儲かります」といえば、「ほうほう。具体的には?」と聞いてくれますよね。
一方で、今の業務の効率化にしか興味がない部長さんは「今1億円投資して業務を変えていきましょう」なんて言っても、「いまですらいっぱいいっぱいなのに、これ以上は…」なんてなります。「ここが問題だから効率化が進まないんです」っていえば、「どうすれば効率化するの?」と聞いてくれるでしょう。
実は同じことを言っているだけですが、説明を変えるだけで相手の態度は変わります。
いわゆるものも言いようってやつです。
相手によって、あるいは相手の今の心理状態に対して素早く発言方法を変えるためには、一式準備がしていないと、取ってつけたような説明になって、信用がされません。
準備が肝心
なんです。
■人によっては、不安にさせることが効果がある
私は、自分で提案を作ることもありますが、人に提案を受ける立場でもあります。いわゆる中間管理職ってやつ。
そのときに、以外に少ないのが、4番目の不安をあおるような説明があまりされないことです。
これは提案する側も、脅迫するみたいでちょっと遠慮するという場合もあるのかもしれませんが、それについて質問したりすると、まともに答えが帰ってこない場合があるので、実は、提案者自体が自分の提案の仕方ですべての人が満足すると勘違いしているのかもしれません。あるいは広く考えていないか?
いずれにしても、セールスの場面では、ここで紹介する本のように、当たり前にあるテクニックだという認識を持っておいたほうがいいかもしれません。
★P37〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●安心感を揺さぶる
私たちはいつも「臆病」と「大胆」との間にいる。
臆病な人は自分のことをシャイで警戒心が強い人物であり、注意深く、賢く、慎重で隙がない人物だと考えている。
大胆な人は、自身のことを怖いもの知らずで、肝が据わっていて、冒険好きで、勇ましく、 1 人でやっていけると感じている。
だからまずは、あなたの提案するものを相手が断った場合のリスクを伝えるのがいい。
安心感を揺さぶるのだ。
「この車を買わなかった場合、安全上のリスクが増えますよ。
トヨ夕のプリウスのブレーキはどれくらいの耐用年数があると思いますか」
ヘンリック・フェキセウス(著) 『影響力の心理~The Power Games~』
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●本書を引用した記事
「あなた」を文頭に持ってくると強力なメッセージになる
相手に自分自身を説得してもらう
相手を驚かせる褒め言葉を使う
初対面で必ず好意を持たれる振る舞い方
不快な状況を受け入れない
~だったのに、~すべきだった、~すればよかった
質問や反対意見は合意のサイン
安心感を揺さぶる
褒めるときに落ちをつけない
ないものはない!あるものはなんじゃ!
●このテーマの関連図書
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