■成長しない人
立場上でも、経験上でも人にアドバイスするという機会が結構あります。
アドバイスをすると、そのアドバイスが効果がある人とない人の2パターンがあります。
もちろん、アドバイスの仕方も上手・下手があるのですが、アドバイスの本質はそれなりに有効なものだと思ってます。
この差はどこから来るのだろうかということをちょっと考えてみました。
表面的に見ると、アドバイスに対して効果がある人というのは、そのアドバイスを自分の中に取り込んで、今の課題を解決する方向に動きを変えていきますが、逆の人はアドバイスに対して変化が起きないんですね。
所詮アドバイスはアドバイスであって、命令ではないので、それを実際の自分の行動に反映するかどうかは本人次第です。
例えば、このブログで過去に紹介したように
・タスクに集中してやるためには、なにかタスク実行中に思いついたら、どこかにメモしてすぐにタスクに戻るほうがいいよ
・ノートには自分の考えを整理するコンテンツを作るといいよ
・メールはなるべく固めてやっつけてしまうというやり方をするといいよ
・ものごとは、3つの視点(蟻の目、鳥の目、魚の目)で捉えるといいよ
みたいなアドバイスをすると、実際にやってみたり、次から報告の仕方が変わったりするんですね。
これをその人の成長だと考えています。
※さらに、それが習慣化する人も、しない人もいるんですが…
■But…
変化しない人というのは、アドバイスに対して、多くの場合この単語を使ってることに気が付きました。
「But…」
まぁ、いわゆる「それはでも…」「しかし」「けれども」「この場合は…」「ですが…」というやつ。
こういう単語が最初に出てくると言うのは、多くの場合アドバイスを受け入れることができてません。
決して「反論してはいけない」ということではありません。
そのアドバイスが正鵠を射ているかどうかは、その担当者でないとわかりませんので、他人のアドバイスや意見を鵜呑みにしてはいけないのですが、最初にこの単語を使う人は
考えてない
ように見えます。つまり、他人のアドバイスや意見というのは
一旦受け入れる
現状に当てはめて理解する
次の行動を考える
ことが必要なんですね。
今「自分(担当者)はどうすればより良くなるのか」を常に目指していれば、この3段階を経由しないといけなんです。
「But…」が先に来る人は、今の事象や環境と、アドバイスしている人が経験した環境との差によって、そのアドバイスそのものがうまくいかない可能性に着目してしまっていますので、「いわれたままやってもうまくいかない」と考えるわけです。
そりゃうまくいくわけ無いですよ。だって置かれた環境も状況も、担当者の能力も違うんですから。
■深層意識、セルフイメージ
私は心理学者ではないので、正しいかどうかはわかりませんが、私の乏しい知識に当てはめてみると、こういう人たちは、自己評価が現実離れしているように思えます。
つまり、現実の自分の力と実際に自分が思っている自分の力がかけ離れているために、アドバイスに対してすごく防衛的になっていのではないでしょうか。そのために、今の自分に対して他の人からなにか言われると、「自分の正当性を主張したくなる」わけです。
最悪の場合、防衛行動が相手に対する攻撃行動になって現れる。
余計な口出しをせんでください!
たしかに「アドバイス」を否定的な言い方をすれば「余計な口出し」「批判」です。
そう受け取った時点で、もうアドバイスは意味をなしていません。
逆に自分を客観的に見ている人というのは、たとえアドバイスではなく「批判」であっても、それを一旦受け入れて、「じゃぁ自分はどうすればいいのか」という行為に置き換えていくことができるわけです。
■成長は変化
よく「自己啓発書」などに書かれていますが、「成長するということは変化すること」です。
変化するためには、外部からの指導を受けないと、自分だけではできないんですね。
よくマンガや小説などでは主人公に敵対するにしろ見方であるにしろ、その人の成長を促す人がいますよね。自分の経験を糧にするのは当然ですが、その得た経験をより高度なものにしていくために、「今の経験をどう昇華すればいいのか」「このような場合にはどういう行動をとればいいのか」を学習させてくれる人です。
自分を成長させるヒントが、アドバイスなんです。
もし、納得できなければ、「But…」ではなく、「Why?」(「なぜそう考えるといいのですか?」)と発言すれば相手からより多くの情報が引き出せます。
結果、そのアドバイスを100%採用するか、やっぱり今のやり方がいいと判断するかは、その人の力次第です。ただ少なくとも「But…」といった時点で、もはや悪い心理状態になっていると思われます。
But は Bad
ですよ。
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