誰がどのセルを修正したのかがわかりにくい……

Excelで作った表を大勢で確認・修正を繰り返すと、だれがどこを編集したのかさっぱりわからない状態になることがあります。もちろん、過去の自分も他人のウチです。

修正済みのセルがひと目でわかるように強調表示できたら、修正箇所の確認の時間が短縮できて、仕事の効率が上がりますよね。


Excelで変更履歴を記録し、修正済みのセルを強調表示するテクニックをご紹介します。

■Excelで変更された箇所を強調表示する


自分が今しがた編集した Excel ファイルなら、どこにどんな変更を入れたか記憶にあるので大した問題にはなりませんが、1週間前に変更した箇所って言われると、私は全く記憶してません。

フリーソフトなどでも、差分を表示してくれるツールはありますが、「ほしい!」と思ったときには、大抵インストールしてないですし、探し出してきてインストールしてみて期待通りかどうか確認しているうちに、「結局、何をするんだったけか?」みたいにもとからやろうとしていることを忘れてしまいます。

Excelには元から、変更した箇所を記憶する方法が用意されています。ところが、どういう理由かわかりませんが、初期設定ではこれが OFF なんです。最初から ON にしてくれていればありがたいのだけど…。


■変更履歴を記録し、変更箇所を画面に表示する


修正済みのセルを強調表示できるようにするには、変更した箇所を記憶しておく機能を ON にしておく必要があります。

 [校閲]タブをクリック
 [変更履歴の記録]→[変更箇所の表示]を選択します。
 [変更箇所の表示]ダイアログボックスで[編集中に変更箇所を記録する(ブックを共有する)]にチェック
 [変更日]で[すべて]を選択
 [変更箇所を画面に表示する]にチェックをつける
 [OK]

ちょっと手順が長いですが、やってみればそれほど難しくはありません。
「校閲」から「変更履歴」を選ぶところがポイント。あとは、

 [この操作を行うと、ブックはいったん保存されます。よろしいですか?]

というメッセージが表示されるので、[OK]をクリックします。

これで、変更履歴が記録されるようになります。なお、保存後のブックは「共有ブック」となり、タイトルバーに表示されるファイル名のあとに「[共有]」と表示されるようになります。

■実際の表示


実際に表の中のセルを修正してみると、修正したセルの左上に三角形の印が付きます。

印のついたセルにマウスポインターを合わせると、そのセルに、いつ、どのような修正が行われたかを表すメッセージが表示されます。

これで、修正済みのセルの位置と変更の内容がわかりやすく記録されました。

■ほかの人が行った修正の内容を確認する


手順で書きましたが、これはファイルを共有する(同時に編集できるようにする)ようにしています。ですので、

 ・誰が
 ・いつ
 ・どのような

変更をしたのかが記録されます。

この手順でした変更履歴の記録が行われているブックであれば、自分以外の人が行った修正の内容を確認することもできるわけです。

Excel ファイルの修正をほかの人に依頼するときに、“この Excel ファイルには共有が設定されており、変更した履歴が記録される”ということをあわせて伝えておくといいかもしれません。

この Excel ファイルをほかの人が修正したとします。

修正済みのブックを開き、変更履歴の記録を開始するときと同様に、[校閲]タブから[変更履歴の記録]→[変更箇所の表示]をクリックすると、[変更箇所の表示]ダイアログボックスが表示されます。

これまでに行われたすべての変更を確認するには、

 [変更日]で[すべて]を選択
 [変更者]と[対象範囲]のチェックをオフ
 [変更箇所を画面に表示する]にチェックを付ける
 [OK]をクリック

これですべてのユーザーがこれまでに行った変更の履歴が表示されます。

修正済みのセルに付く印は、ユーザーごとに違った色になります。自分で行った修正のときと同様に、修正済みのセルにマウスポインターを合わせると、いつ、誰が、どのような変更を行ったかを記したメッセージが表示されます。

■変更履歴を活用する


この Excel の変更履歴の機能は、最初に設定しておかないと使えないので、必要になったときに慌てても機能しません。
ここらへんが、ちょっと利用されない理由なのかもしれませんね。

もし、長期的に管理するようなファイルなら、私は一番左側のシートに、変更履歴のシートを作るようにしています。
これは、すでにテンプレートが作ってあって、そのテンプレートをコピペするだけなのですが、こちらは人力でやらないといけないので入力忘れが度々発生します。

後追いで変更した箇所を確認しようとしたら、やっぱり差分比較のフリーソフトとバックアップツール(履歴管理用)を用意しないとできないですね…。

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