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 「××について検討しなさい」
 「○○について調査しなさい」
 「○○の課題はどのように対応しようと考えるか?」

こんな課題が与えられた時に、上司をうならせる分析手法があります。
私はこれを

 ものの見方の定番

と呼んでます。

このシリーズ(最近多いなぁ)はこれらを一気に紹介します。

本日はその第 1 回目。ものの見方の10パターン をご紹介します。



■ものの見方の定番パターン


ものごとをどのように捉えて検討を加えていくべきなのかという点について、私が定番にしているパターンを紹介していきたいと思います。

 ・カテゴリ
 ・主観と客観(主体と客体)
 ・時間と空間
 ・本質
 ・運動
 ・弁証法
 ・差異(否定弁証法)
 ・構造視点
 ・因果関係
 ・システム
 ・蟻の目 ・鳥の目 ・魚の眼

です。

これは私が書籍を読む中で、「こういう見かたをしなさい」「こういう分析をしなさい」という部分を見つけた時に、実際に「使える」と感じたものを記録したものなので、用語の使い方などが統一されてはいませんが、まぁコンサルタントではないので、統一性や一貫性などは気にせずに使ってます。

■複眼的思考


これらの定番パターンのトップに来る「ものの見方」は複眼的思考です。

これは、ちょっと別格なので定番には入れてません。この「ものの見方」は、

 定番パターンを1つだけ使ってはダメ

という意味で別格なのです。

つまり、これから説明する定番パターンを1つだけ使ってものごとを分析して満足してしまうと、報告時にそれ以外の見かたを提示されて、答えに窮するという場面が少なからずあります。
こういうことを避けるためには、ここで紹介するすべてのパターンを使って分析をして、その中で「こういう見かたが一番いい」と判断した上で、報告をするようにしないといけないということです。

たとえば、「新商品××の売れ行きが良くないのはなぜか」というテーマで報告しようとしたら、

 ・この商品のカテゴリはどのようなもので、どの様な強豪にさらされているのか(カテゴリ)
 ・会社の意図と市場の動きはどのように違ったのか(差異)
 ・どのような原因があるのか(因果関係)
 ・生産と販売の相互関係はどのようになっているのか(システム)
 ・市場環境、販売経緯、製品のユーザ評価(蟻の目 ・鳥の目 ・魚の眼)

など様々な「ものの見方」を使って分析しておいて、「ここがポイントだからこう報告しよう」と決めてかかると、それ以外の見かたを提示されても「そこは問題の核心ではありません」と説明(受け答え)ができるようになります。
上司や役員に報告の場面でやり込められ、「もう一度報告しなおせ!」と言われる多くのパターンは、このように「複眼的なものの見方」ができていないために、別の見方に対する対応ができないことによります。
※当然、「分析自体が甘い」というのは除外してますが。そこは完ぺきにできたとして。

では次回から、それぞれのパターンについて簡単な説明を加えていきたいと思います。

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