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TITLE 時間を見える化する
TAG 見える化,タイムマネジメント,時間管理,改善,測定
CATEGORY 時間マネジメント
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<br><br><br>私の<strong>改善におけるモットー</strong>というか基本原則として以下の様なことを意識しています。<br><br><br> <strong>測定できないものは見えるようにはできない</strong><br> <strong>見えないものは改善できない</strong><br><br>製造業で言えば、「<strong>改善=見える化</strong>」みたいに言われてます。<br><br>もちろん、見えるようになったからといって改善するわけではありませんが、見えるようになれば、どこに問題があるのかがわかるようになります。当たり前の話ですが、問題を見つけてその問題を解決することが改善なので、そもそも問題が発見できないものは改善しようがないわけです。<br>


ただし、どんな形でもいいから見える化すればいいものではなくて、ある指針にそって見えるようにしないと改善しません。
物事にはいろんな側面があるので、どの側面で切り出すかによって、どのように見える化できるのかが決まるわけです。


■時間の見える化


ところで、時間って見えませんよね。

私のモットーにのっとって言うと、時間の使い方が見えるようにならなければ、改善はできないという事になります。

時間の使い方をより良くしようとしたら、過去にどのように時間を使ったのかが見えるようにならないと改善はできません。

たとえば、ある時間短縮のテクニックを知ったとしても、それをやってみる前と後を比較しないと、改善したのかどうかわかりません。そのテクニックを使えるようになったこと、イコール、時間の使い方が良くなったのかどうかというのは、自己満足でいい場合を除けば、判断はできません。

さらに、どの程度の精度で測定するのか、という問題についても無視できません。

5分、10分のレベルで改善しようとしているのに、「1時間前後」みたいな単位で測定しては、結果が良くなったのかどうかはわかりませんね。

つまり、時間を見える化しようと思ったら、

 ・時間の切り口
 ・測定精度

を決めないとできないわけです。

■切り口のパターン


幾つかの例をご紹介します。

●時間の効率改善
 ある時間をいかに効率的に使ったのかを測定するためには、効率の意味を考えればわかります。
 効率とは

    (出した成果)÷(投入した時間)

 です。したがって、この2つを測定する必要があります。
 一般に「効率改善」といった場合には、分子の成果が一定で、分母を変化させるような場合に使います。

 したがって、効率を改善しようとしたら、タスクごとにかけた時間を測定すればいいことになりますが、タスクの難易度によって、かかる基準時間が異なります。分子の大きさが違うものに対して絶対時間を比較しても意味がありません。

 この場合、2つの指針があります。ひとつはタスクの難易度が全部同じになるくらいまで分解して揃えてしまうこと。
 しかし、これはタスク分解の技術も必要ですし、そもそも同じレベルに揃えることが難しい場合が多いです。

 そこで私は、出したい成果の難易度を5段階評価してます。単純作業から複雑な検討作業まで。
 別に10段階でも100段階でもいいですが、予測なので100段階中で11と12にあまり違いはありません(というか根拠がない)。なのでエイヤッで5段階にしちゃってます。

 で、これに過去の実績時間をかけて、成果を正規化しています。
※「正規化」というのは統計用語ですが、単に「単位を揃える」ことだと理解してもらえればいいです。

●ムダ時間の削減
 ムダ時間を削減するためには、ムダ時間とムダ時間でない時間(以下「価値時間」と呼びます)を測定すればいい事になります。
 そのためには、まず、ムダ時間とは何かを定義しないと測定できません。

 私の定義では、「なにも出力がない時間」です。
 したがって、アウトプット(「誰かに何かを指示した」「レポートを出した」など)がなかった時間を測定しています。あるを始める前に、その前にやっていたことのアウトプットが何だったかを評価して、ムダ時間と価値時間を峻別しています。

 ムダ時間は割合ではないので、絶対時間で測定すればいいですから、この定義と測定方法が明確であれば簡単にできます。

 ただし、余暇の時間や休憩時間は、この定義ではムダ時間に分類されてしまいますので、これは除外しています。

■測定したらグラフ化


ここまでできれば、あとはExcelに打ち込むなりしてグラフにすれば見える化できます。

課題は継続してやらないと見えたことにならないということです。

ある日のムダ時間が3時間だったとして、それがいいのかどうかは判断がつきません。何かと比較しないといけないわけです。
※もちろん、「3時間は多いだろう」という絶対判断も可能ですが。

そこで、何度も測定をして、ムダ時間が多かった日に何をしていたかを分析することで、どのようなムダ時間があったのか、それは何故だったのかを検討しないとできません。

したがって、

 ・繰り返し、同じ条件で測定する
 ・分析できるように詳細データを残す

ことが、改善に繋がる道になります。

私の場合は日誌をテキストファイルで書いてますので、あとでこの日はどのようなことをしていたのか、どのようにムダ時間を使ったのかを分析できるようにしています。

「見える化」と言っても結構面倒くさいんですよ…。

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