しばらく前ですがウチの会社に昇進・昇格要件というのができました。
今までは、上司が推薦して筆記試験(SPI+小論文)と面接が通ればよかったのですが、最近はそれ以前に資格審査がされるようになりました。


いくつかの会社でも聞いたのですがやっぱりあるみたいですね。

 ・特定の研修を受講し確認テストに合格していること
 ・英語または中国語が所定レベルに達していること
 ・新卒入社なら複数部門の移動経験があること

まあ、上2つはいまどきあたり前という気がするのですが、最後の複数部門経験というやつが曲者。

■専門業務一筋は昇進できない


昇格要件で問うているのは、

 専門バカじゃないよね?

っていうこと。

特定の部門に長くいれば、その部門のやり方やものの見方が身についてきます。そうすると、他の部門は自分の敵になって、一定の考え方しかできなくなります。

また仕事自体も非常に狭い範囲のことしか知らなくて、他の人の業務指導ができないなどということになってしまいます。

なのでこういう規定ができたのですね。

理由はともかくアタマの痛い問題ではあります。
昇進させるためには部門から一旦出さないといけない。出してしまえば戻ってこない可能性もある。でも優秀なので昇進させたい…、ああジレンマ。


■自分の仕事の幅を広げる


もしあなたがキャリアアップを望むのであれば、ある特定の範囲だけしか知らないというのは、上記の昇進昇格要件の話だけでなく、実際に不利になります。

製造管理のプロフェッショナルになるというのは、その業務については強みを発揮しますが、製造全体をマネジメントがわからないなら製造を統括するマネージャとしては失格です。つまり、自分のできる業務より上の職位にはいけないということです。
一般に、職位が上がれば上がるほど業務範囲は広くなります。

なので、製造管理を勉強したら次は生産計画立案をやれるようにする。生産計画立案ができるようになったら、労務管理をやれるようにするといったように、自分の専門を足場にして少しづつ業務を広げていかないといけません。

そうすれば、もとの製造管理に業務が戻ったとしても、周辺知識を活かしたよりシステマチックな活動ができるようになるわけです。

こうして自分のキャリアの幹を太くしていくことができれば、仮に自分の専門分野で若手が育って(最近なら外国人にすげ替えられて?)お払い箱になっても、周辺分野でしぶとく生き残っていくことができるようになります。

キャリアを上司が考慮してくれて、ローテーション計画をつくってもらえるような場合は、お任せでも大丈夫ですが、ここはひとつ、「それは自分の担当ではない」と断るのではなく、「ちょっとお手伝いさせてくれませんか」と他の人に声をかけてみましょう。

仕事を教えてもらえて、さらにその人から感謝されて、自分のキャリアの幹が太くなる。一石三鳥

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