あなたがもし今の部門から別の部門に移りたいと考えているなら、この話は参考になるかもしれません。
■社内公募制度
ウチの会社には、社内の移動を本人と移動先部門が合意すれば移動できるという「社内公募制度」があります。「FA制度」なんていう呼び方もあるそうですが。
要するに、「こういう業務で人材がほしいけど、だれかやりたい人!」と声をかけて(社内Webで公開)して、そこに応募してきた人をプロジェクトや部門のリーダーが審査、採用するする制度です。
これに合格すると、現在の部門の状況がどのようなものであれ、現行の上司の人事権は剥奪。強制的に移籍がきまります。
その部門のエース級が突然別部門に移動する、みたいなことが起きるわけです。
もちろん、決定から数ヶ月の猶予期間はあります。でも現在の所属部門に拒否権はない。
なので、部門長や課長はこの制度には戦々恐々です。
逆に、自分たちの業務が魅力的であれば、社内からエースを無理やり引っ張ってくることも可能です。
※あまり強烈にやると、社内に軋轢が生まれるので、人数制限・募集制限などいろいろ制限はありますが。
■面接は中途採用と同じ
応募者との面接は中途採用と同じプロセスで行われます。
人気部門がガンガン公募をすれば、社内の人材にかたよりが生じるので、いちど公募を出したら採用の有り無しにかかわらず、数年間は公募は出来ません。部員が増えたからといって部門費の増加も認められません。
なので、採用面接はする方もされる方も結構真剣勝負。
中途採用とおなじですね。
中途採用でも、一度採用してしまったら、その人がハズレであろうがなかろうが、同じ社員として継続していかないといけません。
失敗はできないんですよ。
■どんな貢献をしてくれますか?
ただ、中途採用と違うのは、応募者が社内の人なので、過去の実績は本人に聞かなくても簡単にわかることです。
ですので、面接では「過去の実績は?」なんて聞きません。
ずばり、「あなたは、具体的にどんな貢献をしてくれますか?」です。
応募者も当然、その業務について下調べはしてきているので、「この業務のこういう所にこういう貢献をします」という回答をします。
……というか、採用側はそれを期待してます。
ところが、こう言える人が少ないんですよ。
別の部門でエース級で活躍している人でも、「言われたことをちゃんと成果にしてみせます」的な内容。
それでも公募に応募してくるというのは、自分の環境を変えようと言う前向きな気持ちがある人なんですけどね。
■実力を示せ
もし、あなたが他の部門に移動したいと思うなら、移動先の部門の長に根回しは必須です。
公募制度がなくても、一本釣りは可能ですから。
根回しのためには、この質問にズバリ答えられる準備が必要です。
「あなたは、具体的にどんな貢献をしてくれますか?」
たとえば、商品企画部に移動したいなら、「自分はこういう商品を考えてます」と3つや4つのアイディアが披露できれば、そのアイディア自体が実際は過去に検討してボツったものでも、採用側はかなり期待できると考えるでしょう。
その業務を過去にやってきたわけではないんだから、ブラッシュアップされてなくて当然です。しかし、業務に対するタネを持っていない人では、業務に習熟した人(つまりは今の部員)のほうがいいに決まってます。
業務をするスキルは、後付でも可能ですが、そういうタネがないことには、その人をわざわざ部門間の軋轢を作ってまで、無理筋をを通して引っこ抜きたいとは思わないですよ。
外から人を入れたいのは、今の業務に対して部門長が何かの変革をしたいと考えているわけですね。
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