■設問


グループディスカッションであった課題

★――――――――――――――――――――――――――
ある会社の営業課長になって、部下と面接をした時に、部下からいろんな発言を聞きます。さらに会社としての方針の説明があり、自分より年長の部下がその会社方針に逆らった行動をします。
しかしながら、その部下は経験も豊富で、営業成績はダントツ。

さて、この課の問題と対策を考えなさい。
――――――――――――――――――――――――――★


について、部下の答えは「課内で会社の方針を共有する」でした。
本日は私が考えた、この設問に対する対応方法について、ちょっと解説してみます。

■問題点を深堀りする


一方、私の考えた答えは

 なぜ方針通りにやりたくないのかを調査する

です。

知識も経験も技量も豊富な部下が、会社の方針に逆行するような行動を取るのは、当然理由があります。
それを、自分の勝手な仮定「会社の方針を理解していない」だけで、いきなり対策として、「会社の方針を理解させる」に飛んでいってしまっては、問題は解決しません。

仮定に対しては、検証が必要なわけです。

さらに、その部下は当然現場をよく知っているので、実は会社の方針自体が現場に合わないものなのかもしれません。そうなった時現場の声を会社に届けるには、いわゆるレポートライン(上司部下の関係)を使うのが最も適切。

その状況を課長は上司の部長に報告する義務があるわけです。
その結果、会社の方針を修正していくという選択肢も必要です。

「課」という単位を考えた時に、「部」であったり「会社全体」であったりする上位組織に対して、「自分の課がどのような貢献をするのか」が提示されなければいけないということです。単に指示通り売上を上げることだけが貢献ではない、という姿勢が必要かと思います。

結局、現時点では、正しい対策が取れるだけの情報がない、だから対策を取るのではなく、対策の選択肢を広く持って、どの選択肢がもっとも最適なのかを絞り込んでいく段階であると判断しました。

変な言い方ですが、まだ「選択肢を判断するべきではないと判断」したわけです。

保留するのも立派な判断です。

ただし、なにもしないのは判断したことにはなりません。判断できる情報を集めていくのが、「保留」です。結果、対策は「情報を集めること」が対策になります。


■3つの視点


以前の記事で

  9つの目の交渉術
  http://sarahin.seesaa.net/article/233356163.html

という記事で、「蟻の目、鳥の目、魚の目」をご紹介しました。

これは物事を見るときに

 1.蟻の目 ミクロの視点
 2.鳥の目 マクロの視点
 3.魚の目 フローの視点

という3つで見ると、その本質が見えてくるというお話です。

これは交渉術だけでなくあらゆる場面に必要なことで、意外とできない人が少なくありません。
というのは、直感的に答えを出してしまうと、そこが「アンカー」になって、それを証明する方法にだけ気持ちが集中してしまうため、本来最も効果のある対策が発見できなくなってしまうためです。

この設問でも「会社の方針に従わない部下」というミクロの問題点に引きずられてしまうと、全体としてそれがどのような影響を持っているのか、それはどのような流れで発生しているのかという視点を失ってしまうわけです。

■正解はない


本題に戻ると、実際こういった問題は、正解があるわけではありません。

ただ、その人が、どのような視点で、どのようなプロセスでものごとを捉えているかを見出すヒントになってくれます。

私は、インバスケット試験をしている会社から何かキックバックがあるわけではありませんが、こういった本を読んだり、講習会にでたり、試験を受けてみたりするのは、自分を知り、今後の学習の方向性を考える上で役に立つのではないかと思います。

■参考文献


インバスケットに関する書籍

インバスケットで検索してみてください。
自分の経験では、鳥原隆志氏の本がわかりやすくていいと思います。

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