例えば、出社直後はその日の計画を確認したり、事前に準備すべき作業に取りかかるなど、準備をするべきことは重々承知しているにもかかわらず、おもむろにメールチェックを始めたり、ウェブサーフインにいそしんでしまう。

そんな「憂さ晴らし」に陥ってしまうことがあります。したくてしているというより、「なんとなく」あるいは「ついつい」してしまっているのではないでしょうか。

■レシピを決めておく


そこで役に立つのが「レシピ」。

具体的には、やるべきことをやるべき順番に箇条書きで書いた紙を前日のうちに用意しておくようにします。いちいち書くまでもなくわかりきっている、というものであっても、とにかく書いおくことが重要。

箇条書きの先頭文字は"□"です。

朝、出社したら、まずその紙を見るようにします。
そして、そこに書かれていることをヒから順番に一つも飛ばすことなく淡 々 とやっていくのです。やり終わったら"□"に"レ"記号をつけていきます。

全部できたら朝の作業は完了。

私がいま作っているのはこんな感じです。

  □ PCの電源を入れる
  □ ログインする
  □ PCの起動待ちの時間にコーヒーをいれる
  □ 勤務台帳に時刻を記録する
  □ 今日の日誌を開く
  □ 今日の会議予定、議事を確認して必要な資料のショートカットをデスクトップに作る
  □ アウトルックを立ち上げ、今日が期限のタスクの実行時間を確保する
  □ そのタスクへのショートカットをデスクトップに作る
  □ 昨夜のうちに来たメールを処理する

これで朝の仕事は終わりです。

大体毎日同じ事の繰り返しなので、EXCELに書いてA6(A4の4分の1くらい)の紙に印刷して予め机に確保してあります。
朝イチでやらないといけないタスクが新たに発生した時には、予めそこに書き加えておきます。

毎朝のことですが、大体1時間くらいかかりますので、出勤は自然、1時間早く出勤することになります。

これは料理のレシピと同じです。
どんな材料をどのような順番で始末するのかが書かれていますので、いつでも同じ味になるわけです。


■余計なことはしない


レシピを運用する上で大切なのは、

 書いてないことはやってはいけない

ということ。それをやり始めると、どんどん横道にずれていってしまいます。
順番も必ず守らないと、時間切れになります。

このレシピだけを見て仕事をすれば事足りる、と思えるまで、レシピを洗練させることと、そのリストを信頼することです。そのためには、「ひたすらその通りにやる」と決め、そのとおりにやることです。うまく行かなくなったら、裁量で判断するのではなく、ルールを変える(=レシピを書き直す)ことです。

■献立を作る


食事をするときに、おかずが一品だけと言うことはあまりないですよね。
カレーには福神漬が必要です。ポテトサラダも欲しいところ。

同様に、やるべきことについても適切な組み合わせからなる"献立"を目的に応じて持っておくといいみたいです。例えば、「会議の献立」なら、次のようなレシピがあったほうがいいでしょう。

 ・会議招集のレシピ
 ・会議室予約のレシピ
 ・根回しのレシピ
 ・議事進行のレシピ
 ・議事録作成のレシピ

いつもやる会議ならまだしも、年に数回しかしないような固定資産購入だったら、レシピがあったほうが確実だし、庶務さんに怒られずにすみます。

時間帯によっても献立は必要です。

 ・朝のレシピ
 ・昼イチのレシピ
 ・終業前のレシピ
 ・月初めのレシピ

このようにレシピほどは細かくない「献立」という単位で仕事を把握できるようになると、今度は一日の「献立」を組み立てられるようになります。
つまり、どの時間帯にどの「献立」をこなすのか、という、「献立」のフォーメーション(布陣)に目が向くようになります。もうカレーは何度やってもカンペキに作れるのですから。

■いつも更新する


レシピは気がついた時にすぐ更新できるようにしておきましょう。

私の場合は、EXCELファイルで管理しているので、デスクトップにショートカット置き、キーボードショートカットを作ってあります。「あ、この手順ちょっと変えると効率が良くなりそうだな」と思った瞬間に、CTRL+ALT+Lと押すと、レシピのEXCELが立ち上がるので、該当のレシピを選択して、ちょこちょこっと書きなおすだけ。30秒もかかりません。

で、帰宅前に、翌日必要なレシピを印刷して、机の上に置いておけば準備完了です(これも就業レシピのひとつです)。

更新されないレシピは使われていないレシピです。
不要なものはどんどん捨てましょう。

■同じテーマの記事

エッセンスを抜き出す

先月でも先週でも構いません。なにかうまく行ったことを1つだけ思い出してください。・上司に進捗状況を報告したら、褒められた・会議でたくさん発言できた・契約がとれた・設計書のデザインレビューで指摘件数がゼロだったなんでも。抽象化では、それはなぜうまく行ったのでしょうか?・報告する前に報告する事項をノートに書き出しておいた・会議が始まる前に、その会議の目的に沿ったアイディア出しをした・お客様とすごくいい意思疎通ができた・チェックリストを使って、..

クラウドノートは移動させて使う

以前の記事 OneNoteとEvernoteをOneNoteに集約 に書いたように Evernote を卒業してしまいましたが、この使い方は引き継いで OneNote でも使ってます。ステップファイルを流用するノートの各ページは、紙のノートだとルーズリーフ式のものを使わない限り移動させることはできませんし、ルーズリーフでも取り外したり順番を入れ替えたりするのは結構てます。一方で、クラウド上のノートアプリを使うと、特..

優先順位を正確に意識する

優先順位って簡単な言葉で説明できますか? 仕事をする上で、たったひとつのタスクしかない状態はありません。たいていは、アレもしなきゃ、これもしなきゃ、状態で、「から手を付けよう」と決めてかかりますよね。上司からも「を優先してやってくれ」と言われたことも多いと思いますが、本当に優先してますか?優先事項があるときは他の仕事をしてはいけない単純に言えば、優先順位をつけるというのは、その第1番目のことが終わらなければ..

メールはプルシステム1

以前の記事にも書きましたが、1日に約300~500件のメールが来ます。このためかつてはメールをチェックするだけで多い時で1日に3~4時間かかってました。これじゃあ、会社にメールを見に来ているのか仕事をしに来ているのかわからない状態になってしまってました。メールの処理時間を効率化するメールというのは、そこに書かれている内容を読んで理解し、それに対してアクションを起こして、今持っている業務を前進させることが目的なのですが、自分が何かしなければならないメールは..

合理的に交渉する仕組みを作るための質問

打ち合わせにはいろいろな種類がありますが、一番難しいのは「交渉」ごとです。つまり双方に自分の利益に対する要求があって、それが異なっている場合です。このとき事前に用意しておくといいものがあります。交渉前に用意する5つの事柄交渉の打ち合わせを始める前に、4つの質問に対する答えを書き出しておくと、自分の望んだ結果に近づけることができます。・お互いの共通の目標や利益はなにか?・自分の要求はなぜ妥当なのか?・どこまでな..

ラッキーをつかみ取る技術

あなたは自分を「運がいい」と思ってますか?もしかして、「運が悪い」と思っていたり、もっと運を良くしたいと思っているなら、読んでみて損はない本をご紹介します。書籍名:ラッキーをつかみとる技術著者:小杉 俊哉本書では、ラッキーな人の行動特性を示し、ラッキーに備えるラッキーを呼び込むラッキーを見つけるラッキーを取りにいくラッキーをモノにするという構成でまとめています。いろいろな発見があったのですが、確かに運に恵まれているという人は本書..