質問というのは、課題を解決していくための重要な要素になります。

 「×××をしてはいけません」

ではなく

 「どうしてそうしようと思ったのかな?」
 「どうして、そうする必要があると思いますか?」

相手になにか考えさせ、そこから答えにたどり着いてもらおうと思うのであれば、どうしてもこういう「問いかけ」を多用することになります。

質問されると、思考をその質問の方向に持っていかないと答えが出ません。「どうして」質問されれば、「なぜなら」と、その根本原因に行かざるをえないようになっています。

ただし、トンチンカンな質問は思考を無駄に空回りさせるだけなので、質問する側も注意をして、よくよく考えて質問をしないといけないことになります。


■フェニックスのチェックリスト


発想法で有名なチェックリストといえばオズボーンのチェックリストが有名ですね。以前の記事でも何度か引用してます。

 ブレーントーミング

などで何度かご紹介してます。

本日は、単なるチェックリストではなく、質問という形で思考を整理・発展させてくれるツール「フェニックスのチェックリスト」をご紹介します。

引用元は『アイデア・バイブル』から。


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●課題編
 ・なぜ問題を解く必要があるのか?
 ・問題を解くことのメリットは?
 ・知らないことは何か?
 ・まだ理解していないのは何か?
 ・すでに得た情報は何か?
 ・課題でないものとは何か?
 ・手持ちの情報で十分か?不十分?過剰ではないか?矛盾点はないか?
 ・課題を図表にすべきか、それとも図解にすべきか?
 ・課題のどこに境界線を引くか?
 ・課題をバラバラに切り離せるか?書き表わせるか?部分同士の関係は?
 ・課題の中で不変な(変化しない)点は何か?
 ・この課題を以前にも見たことはないか?
 ・この課題を多少違った形で見てみたことはないか?
 ・似た課題を知らないか?
 ・全く同じ、あるいは似ている未解決部分がある、類似した課題はないか?
 ・解決済みの事例はないか?それは使えないか?その解決手段は使えないか?
 ・課題を言いかえられないか?何通りに言い換えられる?抽象化?もっと具体化?言い換え方そのものは変えられないか?
 ・想像できる最高のケースは?最悪だと?最もありそうなケースはなんだろう?

●解答編
 ・課題全体を解決することができるか?一部分なら?
 ・どんな解決像を望むのか?その姿を描けるか?
 ・未知の部分がどれほどあるか、がわかるか?
 ・すでに得た情報から有益なヒントを引き出せるか?
 ・情報は全て使いきっているか?
 ・課題にとって大事な要素は全て考慮に入れたか?
 ・課題解決のプロセスを段階ごとに切り離せるか?それで妥当か判断できるか?
 ・アイデアを出すためにどんな発想法を使えるか?いくつの発想法を知っている?
 ・結果を想定できるか?多くのバリエーションを考えられるか?
 ・どれくらい多彩なアプローチで課題解決を試みたか?
 ・他人は何をした?
 ・解決方法を直感できないか?結果を検証できないか?
 ・何をすべきか?どうやってやるべきか?
 ・どこで行うべきか?
 ・いつ行うべきか?
 ・誰が行うべきか?
 ・今やるべきことは何か?
 ・誰が何に対して責任を負うのか?
 ・この課題を利用して他の課題を解くことができるか?
 ・この課題の独自性を決定づけている特徴とは何だろうか?
 ・どんな指標が、進捗の度合いを最もよく示すだろうか?
 ・いつ成功するのか、どうやったらわかるだろう?

マイケル・マハルコ(著) 『アイデア・バイブル
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本書『アイデア・バイブル』では、このフェニックスのチェックリストで、「ギリシャクロスの難問」という難問を解く手順が示されています。

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●ギリシャクロスの難問
コインが以下のように並べられている。このコインを2つだけ動かして、縦・横いずれの列のコインも6枚にしなさい。

    ○
    ○
   ○○○○○
    ○
    ○
    ○

マイケル・マハルコ(著) 『アイデア・バイブル
――――――――――――――――――――――――――――★


答えを見つけるのも大事ですが、これがフェニックスのチェックリストでどう解けるかは、本書を呼んでのお楽しみ。



■参考図書 『アイデア・バイブル




ベストセラー『考具』の著者が使い倒した発想トレーニングの名著、『アイデアのおもちゃ箱』を大幅増補。企画立案する人、起業したい人、新事業を立ち上げたい人、「発想力」を強化したい人のための決定版。 






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アイデア・バイブル
著者 :マイケル・マハルコ

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●本書を引用した記事
 フェニックスチェックリスト:適切な質問は発想力を刺激する
 リラックステクニック
 発想法:フェニックスチェックリスト

●このテーマの関連図書


アイデアのヒント

スウェーデン式アイデア・ブック

発想法の使い方(日経文庫)

アイデア・スイッチ

考具―考えるための道具、持っていますか?

アイデアのつくり方



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