■ピクニックに行く


さて、今日はピクニックに行く事にしましょう。

まず何を考えないといけないかというと

  「行き先かな…」

と思った人いる?
はい、30点。

  「誰と行こう?」

と思った人、40点あげよう。

私が考える正解は

  「何のために行くの?」

です。

■目的があって手段がある


よくビジネス書なんか読むとかいてあるる話ですが、

 手段の目的化をしてはいけない

ですけど、ちょっと難しいです。
というのも、大きな目的があって、それを達成するために何かをしようとすると、その何かをするためにさらに何かをする必要がありますよね。

たとえば、

  幸福な人生を送りたい
    ↑
  余裕のあるお金がほしい
    ↑
  給料は多い方がいい
    ↑
  給料の高い会社に転職する
    ↑
  転職情報サイトに登録する

みたいな展開があったとしましょう(あくまでも例です)。

そうすると、「転職する」という活動における目的は「給料を多くする」ということですが、実際に「転職情報サイトに登録する」という行為は、「転職する」という目的の一部なわけです。

ただ、最終的には、「幸せになりたい」というのが究極の目標なので、その途中を端折ってしまって、「幸せになるために転職サイトに登録する」みたいに考えたほうが、よりすっきりするような気がします。

もちろん、詳細に考えるときにはこういった論理飛ばしはしないほうがいいかもしれませんが、「なんで「転職サイトに登録する」をしようと思ったんだっけ?」とふと思ったときには、この程度の論理で十分かと。


■目的からビジョンをつくる


ピクニックに行く目的が

 ・友人と親交を深めるため
 ・家族との絆を深めるため

という目的だとすれば、多少やることが具体的になったのではないでしょうか。

そして、その目的が達成された状態というものを定義する、すなわちビジョンを作ることによって、課題が具体的になります。
経営におけるビジョンとは会社として「将来達成したい姿」のことをいうことが多いですが、そんなに大層に考えなくてもいいです。言葉のそのものの意味です。英和辞書を引くと、

  見えること;視覚,視力
  見えるもの,光景,姿
  一目

と書いてあります。

この「光景」という言葉そのものの意味で捉えてください。

目的が「家族との絆」であったとすると、

 みんなでどこかの広くて緑の多い公園で、ビニールシートを引き、そこに美味しそうなお弁当が広げられている。そこで談笑しながら、そのお弁当を食べて、持っていったお茶を飲んでいる。
 近くにはそこまで乗ってきた2人乗りの自転車がおいてあり、そこから歩いてボートに乗りに行って、暖かい日差しの中ボート遊びをしたり、バトミントンをしたりして楽しんでいる。

という光景を具体的に思い浮かべて見ましょう。

 こうして家族団らんの時を過ごして、「楽しかったね〜。また来ようね」と言いながら帰る。

ということが出来れば、まぁ、目的は達成できたと考えていいのではないでしょうか?

■ビジョンがタスクを作る


これが想像できれば、やるべきことがはっきりしてきましたよね。

 ・みんな
 ・広くて緑のおおい公園、近くにボートに乗れる池
 ・サイクリング
 ・お弁当
 ・ビニールシート
 ・バトミントン

こんな単語が出てきました。

行き先の条件は
 ・サイクリングができること
 ・緑の多い(山に近い)
 ・ボートに乗れる
で絞り込めば対象は見つかりそうだな、と思った人、慌てすぎ。

もちろん、これを決める必要もありますが、その前に決めることがあります。

ゴールが決まったら、そのゴールに向かうための時間軸です。
これが2番めに決めるべきこと。

つまり、

 何をいつまでにどういう状態にするか

これを「タスク」といいます。

今はこのタスクの「何を」がざっくりと見つかっただけです。

今度はここに挙げられた「何を」をひとつづつ明確にしていきます。

まず、行く事自体に「みんな」の賛同や協力が必要です。
なので、まず「みんな」を定義します。

 ママとパパと子供1と子供2

でしょうかね。そうしたら「みんな」を集めて(あるいは一人づつ)、行く事自体の合意をして、それから、「こんなものが必要だと思うんだけど」といって、このリストを出します。「他に何かあるかな?」と話しながら、必要な物をリストアップしていきます。
この時に、上でやった「目的からビジョンを作る」というのがまた役に立ちます。

たとえば、「お弁当」。
 どんなお弁当が食べたい?
  サンドイッチかご飯か?
 食材はどんなものが入っている?
 お箸で食べている?
 取り皿はどんなものを使っている?
とどんどんゴールイメージを具体的にしていきます。

そうして、それをさらに要素に分解して、その要素のゴールイメージを分解していくと、詳細なリストが作れます。

そうして、次の質問。

 「それはいつ頃必要で誰が用意するか」

を決めます。これが「マイルストーン」。
そして、マイルストーンにミートさせるために、

 いつから、どのくらいの時間をかけてするか

をだす。これが「タスク」。

■仮想開発


この作業って、何をしたかわかりますよね。
開発計画を立てる時に、

 思いついたものを「だ〜っ!」とEXCELに線を引く

のは計画ではありません。

 ゴールから逆算した必要なモノを必要な時に揃える

のが計画です。

仕事をしていると、いろんな計画をたてることがあると思いますが、なかなか必要な項目が出切らないですよね。あとから、「あれも作る必要があった」「この資材が必要だった」と思いつく。

これは、ゴールイメージがはっきりビジョンになっていないからではないでしょうか。
※ゴール「イメージ」という言葉がいけないかもしれませんね。「イメージ」ではなく、「ビジョン」が必要です。

もし計画外の作業や資材が必要になったときには、やらなければならないことはやる必要がありますが、それが最初に抽出できなかった点をしっかり反省して、次からはどうするか考えないといけませんね。

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