頑張って仕事をして、それなりの成果を出していれば、昇進・昇格は自然とついてくる
わりと普通に言われていることだと思いますが、微妙に合っているような、合っていないような…。
なぜ能力が高いのに、昇進・昇格(要は職位と給料)が伴わない人がいるのか、そのへんのウラ話をイッパツ。
『社長は君のどこを見て評価を決めているのか?』という本にこんなことが書いてありました。
あまり公開はされないみたいですが、ある程度の規模の会社であれば、これは常識。
従業員10人未満とかの小さな会社だとそうは行かないと思いますが、100人規模以上になれば、人事評価、すなわち昇進・昇格にある基準を設けないと人事制度になりません。
その基準というのは大抵
・滞留年数
・直近の能力評価結果
の2つです。
たとえば、
一般職5級から4級の昇格要件
5級の滞留年数が3年以上6年未満
S ランク評価を2年以上継続する、または 前年が SS ランク
過去5年間で B ランク評価がない
※評価は C>B>A>S>SS のような場合
みたいな感じ。
人事としてはまず、この2つの条件で候補者を絞り込んでしまいますので、この条件からはずれた場合には候補にはなれません。
その後、候補者の一覧を部門ごとに部門長に送付して、「この中から××人を選抜してください」というのが人事部の常套手段。
どんなに能力が高くても昇進・昇格できない条件が、この「滞留年数」というやつ。
ようは以前の昇格からどれだけの年月が経っているか、という能力とはなんの関係もない条件で評価がされます。
気をつけないといけないのは、ここに制限があることです。上記の例では6年未満とかきましたが、この例で言うなら、同じ職能級に6年滞留すると、その人はもう昇格できなくなってしまいます。一般職の場合は結構ゆるいことが多いみたいですが、管理職はかなり厳格です。
考えてみれば当たり前で、昇進や昇格は、次世代の管理職や役員の選抜です。
極端に言えば、役員になって次の年に定年、という人は役員にはできません。それでは役に立たないですから。
会社としては、それぞれの役職の最低の滞留年数を満たさないような人はもう選抜対象ではないのですよ。
さらに、一定期間以上滞留するということは、その上司から見て、「上に引き上げたい人ではない」という見方もできます。
つまり一定期間以上同じ職位にとどまったら、もうそれで終わり、です。
その一定期間以上というのがどのくらいの長さなのかは、職位や会社の状況によって様々ですが、だいたい最短昇格期間(これは他の人をみてればわかりますよね)の2〜3倍というところがいい線なのではないかと思います。
もうひとつ重要な要件に、「空席」という条件があります。
これは一般職の場合はあまり考慮されませんが、管理職になるには非常に重要な要件です。
もし、会社の規模が大きくならないとすれば、会社に必要な役員、管理職の数は一定です。
つまり、その部署で十分な管理職がいる場合には、管理職への昇格はできないということです。
今回ご紹介した人事評価基準は、その人の持っている能力ではなく、環境の問題です。
どんなにドラッカーの教えに従って能力を伸ばしたとしても、環境が整っていないと昇進や昇格、すなわち、会社からの高い評価は得られません。
一番いいのは、能力を伸ばすとともに環境が整っている部門に移動してしまうことです。
所詮、昇進・昇格は相対評価ですので。
●本書を引用した記事
相手に聞く準備する合図を送る
自分の評価を知る方法
会議室の椅子を交換する
社長は君のどこを見て評価を決めているのか2
社長は君のどこを見て評価を決めているのか1
若いアタマを維持する1
すべてのスキルを育てる技術
昇進したばかりの上司が部下との面談時に気をつけること
学習する組織:マネジメントを学ぶよりも「話す」ことが効果がある
学習する組織:「学習する組織」に最終目的地や最終的な状態はない
●このテーマの関連図書
わりと普通に言われていることだと思いますが、微妙に合っているような、合っていないような…。
なぜ能力が高いのに、昇進・昇格(要は職位と給料)が伴わない人がいるのか、そのへんのウラ話をイッパツ。
■標準昇格年数
『社長は君のどこを見て評価を決めているのか?』という本にこんなことが書いてありました。
★P135〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●標準昇格年数を経営者は持っている
「うちの会社は昇格スピードが遅い。このままいてもいいか?」と悩むのであれば、経営者に標準の男格年数を聞きましょう。
経営者は必ず標準の昇格年数を想定しています。
成長シートをもとに、成長が確認できたら一般職層から中堅職層、中堅職から管理職層にステップアップさせようと決めているのです。
松本順市(著) 『社長は君のどこを見て評価を決めているのか?』
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あまり公開はされないみたいですが、ある程度の規模の会社であれば、これは常識。
従業員10人未満とかの小さな会社だとそうは行かないと思いますが、100人規模以上になれば、人事評価、すなわち昇進・昇格にある基準を設けないと人事制度になりません。
その基準というのは大抵
・滞留年数
・直近の能力評価結果
の2つです。
たとえば、
一般職5級から4級の昇格要件
5級の滞留年数が3年以上6年未満
S ランク評価を2年以上継続する、または 前年が SS ランク
過去5年間で B ランク評価がない
※評価は C>B>A>S>SS のような場合
みたいな感じ。
人事としてはまず、この2つの条件で候補者を絞り込んでしまいますので、この条件からはずれた場合には候補にはなれません。
その後、候補者の一覧を部門ごとに部門長に送付して、「この中から××人を選抜してください」というのが人事部の常套手段。
■滞留年数
どんなに能力が高くても昇進・昇格できない条件が、この「滞留年数」というやつ。
ようは以前の昇格からどれだけの年月が経っているか、という能力とはなんの関係もない条件で評価がされます。
気をつけないといけないのは、ここに制限があることです。上記の例では6年未満とかきましたが、この例で言うなら、同じ職能級に6年滞留すると、その人はもう昇格できなくなってしまいます。一般職の場合は結構ゆるいことが多いみたいですが、管理職はかなり厳格です。
考えてみれば当たり前で、昇進や昇格は、次世代の管理職や役員の選抜です。
極端に言えば、役員になって次の年に定年、という人は役員にはできません。それでは役に立たないですから。
会社としては、それぞれの役職の最低の滞留年数を満たさないような人はもう選抜対象ではないのですよ。
さらに、一定期間以上滞留するということは、その上司から見て、「上に引き上げたい人ではない」という見方もできます。
つまり一定期間以上同じ職位にとどまったら、もうそれで終わり、です。
その一定期間以上というのがどのくらいの長さなのかは、職位や会社の状況によって様々ですが、だいたい最短昇格期間(これは他の人をみてればわかりますよね)の2〜3倍というところがいい線なのではないかと思います。
■空席があるか
もうひとつ重要な要件に、「空席」という条件があります。
これは一般職の場合はあまり考慮されませんが、管理職になるには非常に重要な要件です。
もし、会社の規模が大きくならないとすれば、会社に必要な役員、管理職の数は一定です。
つまり、その部署で十分な管理職がいる場合には、管理職への昇格はできないということです。
■能力評価よりも環境で決まる
今回ご紹介した人事評価基準は、その人の持っている能力ではなく、環境の問題です。
どんなにドラッカーの教えに従って能力を伸ばしたとしても、環境が整っていないと昇進や昇格、すなわち、会社からの高い評価は得られません。
一番いいのは、能力を伸ばすとともに環境が整っている部門に移動してしまうことです。
所詮、昇進・昇格は相対評価ですので。
■参考図書 『社長は君のどこを見て評価を決めているのか?』
立ち読み可 | 本書でお伝えしたいテーマは、ずばり「社員が知らない、評価と給料のホント」です。 あなたは会社に対して、こんな不満を持っていませんか? 「頑張っているのに給料が上がらない。どうして認められないのだろう……」 「自分よりも業績を上げていない同僚が出世していく。ダメなあいつのほうがなぜ!?」 よほどの大企業でない限り、それらはすべて「社長の評価」で決まるのです。 そしてそれを知っているかどうかで、あなたの会社人生は決まります。 |
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社長は君のどこを見て評価を決めているのか? 著者 :松本順市 | 社長は君のどこを見て評価を決めているのか? 検索 :最安値検索 | 社長は君のどこを見て評価を決めているのか? 検索 :商品検索する |
●本書を引用した記事
相手に聞く準備する合図を送る
自分の評価を知る方法
会議室の椅子を交換する
社長は君のどこを見て評価を決めているのか2
社長は君のどこを見て評価を決めているのか1
若いアタマを維持する1
すべてのスキルを育てる技術
昇進したばかりの上司が部下との面談時に気をつけること
学習する組織:マネジメントを学ぶよりも「話す」ことが効果がある
学習する組織:「学習する組織」に最終目的地や最終的な状態はない
●このテーマの関連図書
30日でつくれる人事制度、だから業績向上が実現できる―成果主義人事制度を…
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「即戦力」に頼る会社は必ずダメになる(幻冬舎新書)
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