■他責は自分のためにならない



以下の事例2つを読み比べてみてください。

★―事例1―――――――――――――――――――――――――
判告書 A
本年度の予想外の収益の減少は、主に昨年に下されたいくっかの戦略的判断によるものである。直接的には、新たな企業買収と、新薬数種を国際市場へ投入するといっ決定が、短期的な収益減少を招いた。また、経営陣は、国内外で生じた厳しい状況に対する備えが不十分だった。
――――――――――――――――――――――――――★


★―事例2―――――――――――――――――――――――――
判告書 B
本年度の収益減少は、主に予想外の国内外の景気悪化と国際競争の激化によるものである。こうした厳しい市場環境が直接的に影響して、短期的な売リ上げが落ち込み、主カの薬剤の市場投入が難しくなった。この予想外の状況は政府の法案が原因であリ、われわれには全く制御できない問題である。
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この2つは『影響力の武器(実践編)』からまるごと引用したものですが、どう感じたでしょうか。

本書(影響力の武器(実践編))には以下のように書かれています。


★――――――――――――――――――――――――――

実験の結果、報告書 A を読んだ人は報告書 B を読んだ人よりも、多くの点でこの企業を好意的にとらえました。

しかし、研究者たちはこれだけでは満足せず、現実の設定で仮説を検証しようとしました。そのために、十四の企業の過去二十一年分の年次報告書のなかから、先の実験で用いたような記述を何百も集めたのです。その結果からは、報告書のなかで失敗の原因として内的な制御可能な要因を挙げた企業は、外的な制御不可能な要因を指摘した企業よりも、一年後の株価が高いことが分かりました。
でも、自分の過ちを認めて責任を取ることが正しいだけでなく会社のためにもなるのであれば、なぜそうした行動がとても少ないのでしようか。それが組織であれ個人であれ、都合の悪いミスが起きると、外部の人物や要囚のせいにして問題の根本から注意をそらすという対応は、私たちの周囲でもまま見られます。しかし、そうした方法では、二つの点でさらに問題が大きくなってしまいます。まず、その解決法では、集団が問題を掌握していて解決能力もあるということの証明には全くならないため、効果が上がりません。第二に、短期的にそのミスから注意をそらすことができたとしても長期的には露見して、注目の的、より正確には非難の的となり、隠ペいの疑いまでかけられてしまいます。

ロバート・B・チャルディーニ(著) 『影響力の武器:なぜ、人は動かされるのか
――――――――――――――――――――――――――★


同じことは組織だけでなく個人にも言えます。

自分が責任を負ってある仕事を実施したにも関わらず、それが結果的にうまく行かなかった時に

 環境が悪かったのでうまく行かなかった

と言ってしまうと、

 改善するつもりがありません

と言っているのと同じことになってしまいます。

その結果、改善ができないばかりか相手(多くの場合は上司です)の心証も悪くしてしまうんです。

あなた自身の上達のための機会を逃すだけでなく、上司の心証を悪くして評価が下がる事になります。

■原因をプロセスに求める


しかし、

 私が能無しでした。ゴメンなさい

などと言っても上司の心証は良くなることはありません。

何かの仕事をするということは、ある入力を別の出力に変換することです。
つまり問題を起こすのは、この「変換」という作業にあります。

作業は複数個の作業からなっているので、それらのプロセスに問題があるわけです。

ですから、原因を挙げるときには、そのプロセスを問題点としてあげましょう。

ちょっと抽象的に言うと

 計画→ 実行→ 実行→結果
    (リスク管理)

というプロセスのどこに問題があり、そのプロセスをどのように改善するのか(したのか)を報告すれば、失敗したとしてもあなたの評価を逆に上げることができます。

失敗したら上司から注目されます。
その瞬間があなたにとってチャンスです。注目されている時に能力があることを示しましょう。



■参考図書 『影響力の武器:なぜ、人は動かされるのか




人が「イエス」という仕組みを心理学を使って科学的に分析し、実際に応用可能なレベルにまで高めた本。
社会心理学者の口バート・ B ・チャルディーニ氏は、宗教や悪質なセールス、募金の勧誘、広告主などありとあらゆる「承諾誘導」の専門家の手口を研究し、彼らの手口は基本的に 6 つの力テゴリーに分類できることをつきとめた。心理学の専門書であるが、ビジネスからプライべートまでその応用範囲は極めて広い。
現在の心理学を応用した仕事術、交渉術、会話術などの本のほとんどすべてがこの本に書かれている。





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影響力の武器:なぜ、人は動かされるのか
著者 :ロバート・B・チャルディーニ
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●関連 Web
 影響力の武器:なぜ、人は動かされるのか』の[第三版] - マインドマップ的読書感想文
 影響力の使い方講座 - ダイレクト出版
 影響力の武器とは?説得するときにはこれ - DCC用語集
 影響力の法則 影響力の武器 - YouTube
 影響力の武器:マネジャーとしての影響力は、どうすれば発揮できるのか?-Bizトレンド

●本書を引用した記事
 お世辞も言わねばサラリーマンは務まらない
 魅力的な名前をつける
 人を動かす:相手の話を聞くときには手を止めなさい
 やる気が出る11のヒント
 文章のコツ6:同じ言葉を使う
 論理的資料作成術:2つの観点で書くと説得力がでる
 ミラーリング交渉術
 問題は過ちであると認める
 失敗は正確に報告する
 「なぜなら」を口癖にする

●このテーマの関連図書


影響力の武器実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣

影響力の武器戦略編:小さな工夫が生み出す大きな効果

プロパガンダ―広告・政治宣伝のからくりを見抜く

シュガーマンのマーケティング30の法則お客がモノを買ってしまう心理的ト…

影響力の武器コミック版

ザ・コピーライティング―心の琴線にふれる言葉の法則



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