役員会議などのように座る場所が決まっている会議は別ですが、私たちのような平凡サラリーマンが参加するような会議は座るところが決まってません。

この「座る場所が決まっていない」ときに、壁際のなるべく目立たないところに座りたがる人が結構います。
ま、過去は私もそうでした。

が、本書『他人に軽く扱われない技法』を読んでから、考えを改めました。


★P62〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

●遠慮せず、目立つ場所に席をとる
宴会でも、会議でもそうなのだが、自分が座るべき席についても上夫したい。もし「席なんて、どこも一緒」だと考えているのなら、それは早合点というものである。どの席に座るのかによって、周囲の人に与える心理的な影響は違ってくるからだ。

結論からいってしまうと、あなたが座るべき席は一番目立つ席であるべきである。

一般に、"お誕生口席"と呼ばれるような、そういう目立つ席を好んで座るようにしよう。

大勢の人がいるときには、偉い人が上座に座るので、さすがにその場合には、上座を認らなければならない。しかし、かりに下座だとしても、とりあえず大勢の人から注目されるような、真ん中の下座に陣取るようにしたい。こうやって、「顔を売っておく」ことが、じわじわとあなたの評価を高めるのに役立つからだ。

内藤誼人(著) 『他人に軽く扱われない技法
――――――――――――――――――――――――――――★



■発言の重み


「発言の重み」=「会議における影響力」、ひいては日常業務における影響力というのは、もちろん職位や日頃の能力によっても変わってきますが、どの位置から発言したかによっても変わってきます。

かつて研修でこんな実験をしたことがあります。

ある話題(たとえば、玉子焼きと目玉焼きはどちらがヘルシーか)について議論するときに、

 一人は座って手を動かさない
 もう一人は、立って身振り手振りをする

というディベートもどきをすると、直接のディベートする人同士や見ている人が「ディベート勝者」と判定する確率は、「立った状態で主張した人」が圧倒的に高くなります。

同じ発言をしても、その位置や目に見える状態によって影響力が変わるわけです。

当然、発言があまりにおみすぼらしければどうしようもありませんが。

■上座を見極める


ある程度サラリーマンをしていれば、上座がどこに当たるのかは、役員や部長が会議の時に座る場所だと考えればだいたいわかると思いますが、

 ・モニタやホワイトボードの正面
 ・部屋の一番奥
 ・全員が見渡せる場所

です。

その次の上座は、議長(司会進行ではなく、結論が出せる人)が座る場所です。

会議にはなるべく早く行って、その席に座ってしまえば、多くの人は、「どけ」とは言いません。
それで、あなたの発言の何パーセントかは重要度があがります。

■グループディスカッション


ちなみに、ですが、昇進昇格や新卒・中途採用におけるグループディスカッションでもこれを考慮すると評価が上がる傾向があるみたいです。

場所は、ホワイトボードを背にする位置か、長机の短辺、録画用機器の正面です。

気軽に座るのではなく、そういうところを見極めると、ちょっとだけいい結果が出るかもしれません。



■参考図書 『他人に軽く扱われない技法




「お客さんにナメられて、とんでもない値下げの条件ばかり飲まされるんです…」「同僚のなかでも、僕だけが、上司に集中的に怒鳴られているんです…」「いつまでたっても新人扱いで、大切な仕事をまかせてもらえないんです…」本書を読めば、もうあなたをだれも軽んじたりしない!究極の自己防衛術。





◆アマゾンで見る◆◆楽天で見る◆◆DMMで見る◆

他人に軽く扱われない技法
著者 :内藤誼人

他人に軽く扱われない技法
検索 :最安値検索

他人に軽く扱われない技法
検索 :商品検索する



●本書を引用した記事
 人を動かす:相手の話を聞くときには手を止めなさい
 体を動かすと影響力が増す
 ダルカチと60人のモンゴル人
 目を細めて人を見ると凄みが出る
 ゼロ秒思考3
 ゼロ秒思考2
 ゼロ秒思考1
 反対せずに異論を言う方法
 インバスケットを学ぶ1
 環境を構築する1
 他人に軽く扱われない技法
 ゆっくりしゃべる
 人を動かす:人を説得する原則6:しゃべらせる
 命をかけるに値するかを考えて議論に持ち込む
 人を動かす:人を説得する原則3:自分の誤りをただちにこころよく認める
 人を動かす:人を説得する原則3:相手が即座に「イエス」と答える問題を選ぶ
 人を動かす:「イエス」と答えられる問題を選ぶ
 人を動かす:1ガロンの苦汁よりも1滴のはちみつのほうが多くの蝿が取れる
 人を動かす:人を説得する原則2:相手の意見に敬意を払い、誤りを指摘しない
 人を動かす:人を説得する原則1:議論に勝つ唯一の方法として議論を避ける
 一流のお店にいく
 人を動かす:心のなかに欲求をおこさせる
 生産性を意識する
 人を動かす:人に好かれる原則6「重要感を与える―誠意を込めて」
 遠慮は交渉を失敗させる
 人を動かす:名前を覚える努力をする
 人を動かす:人に嫌われる方法
 人を動かす:あなたの応援がしたい
 人を動かす:相手の心のなかに強い欲求を起させること
 人を動かす:人に動いて欲しければその人の問題を扱いなさい
 人を動かす:他人の長所を探しなさい1
 人を動かす:チャールズ・シュワップの給料を決めたたったひとつの技術
 弱音を吐くな
 人を動かす:人の8つの欲求を満たす
 人を動かす:罰則は「前向きさ」を失わせる
 一流のお店にいく
 会議の時に座る位置を意識する
 援助はうけない
 反論させない技術
 遠慮は交渉を失敗させる
 予算は2倍にする
 いつもと違うところに感動がある
 戦略的不機嫌さ
 本質的特性と偶発的特性は分けて考える2:仕事の本質的特性と偶発的特性
 本質的特性と偶発的特性は分けて考える1:本質的特性と偶発的特性
 北風と太陽―意図を隠して行動を促しなさい
 相手に勝たせると味方ができる
 影響力をもつと仕事ができるようになる
 魚はミミズで釣りなさい
 長所を挙げてもらうと勝手に説得されてくれる
 入社5年目以降に覚えるべき5つスキル:裏表がない
 入社5年目以降に覚えるべき5つスキル:危機感と向上心
 入社5年目以降に覚えるべき5つスキル:やってみせる
 トレーニング不要の思考整理術

●このテーマの関連図書


軽く扱われない話し方(だいわ文庫)

人に甘く見られない38のルール

賢く「言い返す」技術:人に強くなるコミュニケーション(単行本)



■同じテーマの記事

面接官になりなさい

昇進・昇格面接にしろ、中途採用の面接にしろ、やってみるとすごく効果がある方法があります。いくつかな面接技術関連のビジネス書を読んでみました(それほど多くではありません)が、これが書いてあった本は、この本だけ。『エンゼルバンク ドラゴン桜外伝』面接官は面接のシロウト昇進昇格、中途採用の面接官は通常、人事部1人、業務部門2〜3人です。過去記事でも書いていますが、人事部は当然、応募者を見る目はプ..

インバスケットを学ぶ1

先日、部下が昇進のための基礎能力試験を受けてきました。返ってくるなり「全然ダメでした〜」と。「どうダメだったの」と聞くと、「口外するなとは言われたんですけどね」と言いながら、しっかり口外してくれたので、私もちょっとばれない程度に公開しちゃうことにしました。このスタイルの評価方法は、昇進試験グループディスカッションでも紹介したので、詳しく知りたい方は、こちらへどうぞ。..

主張を通す8つのコツ2

昨日の続きで、プレゼンのコツについて。昨日の要約最近、ウチの会社では昇進試験にプレゼンテーション試験というのが取り入れられました。以前の記事昇進試験グループディスカッションでもちょっと書きましたが、やっぱり昇進してリーダーなり管理職にになれる人というのは、自分の主張を持っていることも大切ですが、その主張を人に聞き入れてもらえるというのも大事ですね。前回の記事では、試験で評価されるポイントを書いたので、今回は実際..

主張を通す8つのコツ1

最近、ウチの会社では昇進試験にプレゼンテーション試験というのが取り入れられました。以前の記事昇進試験グループディスカッションでもちょっと書きましたが、やっぱり昇進してリーダーなり管理職にになれる人というのは、自分の主張を持っていることも大切ですが、その主張を人に聞き入れてもらえるというのも大事ですね。前回の記事では、試験で評価されるポイントを書いたので、今回は実際に自分の主張を通しやすくするためのヒントを少し。アリスト..

昇進試験グループディスカッション

最近、ウチの会社では中途採用や昇進試験でグループディスカッションを取り入れるようになりました。これが見ていると非常に面白い。普段ディスカッションというと、何かの議題に対して、どのような答えを出すのか、その答えに大多数が賛成してもらえるようにするにはどうすればいいのかという点にばかり注意していましたが、その人の能力を見極めるという意味で、ディスカッションの様子を観察すると、実力の差が歴然とわかります。ディスカッションの方法これが普通の会社でも一般的なのかどうか..

環境を構築する2

仕事のツールとして、一番良く使うのはPCでしょうかね?多くの人がPCで、メールをやり取りしたり、プレゼン資料を作ったり、データを整理したり、契約書を作ったりと何らかの形でPC操作が仕事をする上で必要になっているのではないでしょうか。昔(といっても10年〜20年)は、PCがまったく操作できない。メールも書けないので、他の人にそれを頼んでやってもらうという上司も居ましたが、さすがに今時そんな人は居なさそうですね。ツールを改善する道具である以上、使いやすくしておくことで、..