リーダになるためには、リーダになることです

なんだか禅問答みたいなのですが、リーダーシップを身につけるためには、本を読んでも出来ません。理屈屋になるだけです。

私のオススメは、リーダーになること。

とにかくどんな仕事でもいいので、何かグループでやるような仕事があったら、

 まず、手を挙げる

ことです。

■セミナー、研修


セミナーや研修でグループワークするときがありますよね。
この時も、「じゃ、私がリーダをやらせていただいていいでしょうか?」と立候補します。
大抵の場合は、こういう時に立候補する人はイないので、すんなり決まります。
グループワークの発表も進んでやります。

■小さなプロジェクト


上司が、何かの業務をやりたいといった時に、「自分にやらせてください」と立候補します。


■経験が生きる


リーダをやると、
 ・他の人の意見の調整
 ・方針を決めること
 ・分担を決めること
 ・最後にまとめをすること
という作業が待っています。

これが結構大変なのですが、それによって経験値が増えていきます。
そうすると、人の意見を聞き、戦略を立て戦術を展開するということが皮膚感覚としてわかるようになります。

こういった経験は2つの意味で重要です。

一つ目は、自分のための経験。

いざ職場で「長」がつく仕事についた時に、何を考えないといけないのか、動やったら人は動いてくれるのかが理解できるようになります。

そうして本を読めば、底に書いてあることと自分の経験を照らしあわせて、「あぁ、あの時はこういうふうに考えればよかったのか」「これは行動としては良かったんだな」とか、いろいろな気づきが出てきます。

経験に裏打ちされていない知識などというものはほとんど役に立ちません。

もちろん、大学などでその理論を研究するのには必要ないかもしれませんが、サラリーマンとして、実践で使っていくためには、経験が必要なわけです。

もう一つ、他人がする経験です。

あなたが、リーダとしてみんなに指示したという経歴は、みんなの記憶に残ります。
その結果、指示する量が増えても、みんなは違和感を持たないんです。

それがある日突然、係長や課長になった途端に実務をしなくなって、「あれをしろ」「これをしろ」と言い出したら、たぶん部下は「なんだよ、いきなり尊大ぶりやがって」と反発します。
それが、いままでも少しづつそういうシチュエーションに慣れさせておけば、誰も違和感を持たないんです。

自然にリーダとして認められている状態で、そのリーダーシップを発揮している割合が、30%から50%になったとしても、そのまま受け入れられちゃうんですね。

リーダーになって伸び悩む人が多いのは、こういった、「役職的な背景がないから」といって、それまでイチメンバーとしてしか活動して来なかった人が、いきなり「長」のつく役職についた途端、本に書いてあるようなリーダーシップを発揮しようとした時です。

で、一度部下にそういった違和感を持たれてしまうと、部下は貴方の言うことを信頼しなくなります。結果として貴方の業績は下がり、最悪降格処分です。


■まずリーダをやろう


ということで、とにかく

 「私にリーダをやらせてください」

と手を上げることです。

上司からは積極性を評価され、自分は経験をつめて、同僚に対しては将来上司になった時の準備ができる。いいことづくめ。
もし失敗しても、上司がフォローしてくれます。それがまた勉強になる。

ほんのちょっと、右手を上げるための労力と、勇気だけあれば、あなたはリーダーになれます。

■同じテーマの記事

グロービス流ビジネス基礎力のチェックリスト3

『27歳からのMBA グロービス流ビジネス基礎力10』に載っていた、ビジネス基礎力のチェックリストをご紹介します。長文なので、3回に分けました。本日はその3回目。紹介「将来に、漠然とした不安がある」「今の自分に自信が持てない」「ビジネススキルを学びたいけれど、何から始めたらいいのかわからない」本書は、そんな悩みを抱える若手ビジネスパーソンに向けて、日本有数のビジネススクールであるグロービスの教授陣が書き下ろした「ビジネ..

グロービス流ビジネス基礎力のチェックリスト1

『27歳からのMBA グロービス流ビジネス基礎力10』に載っていた、ビジネス基礎力のチェックリストをご紹介します。長文なので、3回に分けました。本日はその1回目。紹介「将来に、漠然とした不安がある」「今の自分に自信が持てない」「ビジネススキルを学びたいけれど、何から始めたらいいのかわからない」本書は、そんな悩みを抱える若手ビジネスパーソンに向けて、日本有数のビジネススクールであるグロービスの教授陣が書き下ろした「ビジネ..

グロービス流ビジネス基礎力のチェックリスト2

『27歳からのMBA グロービス流ビジネス基礎力10』に載っていた、ビジネス基礎力のチェックリストをご紹介します。長文なので、3回に分けました。本日はその2回目。紹介「将来に、漠然とした不安がある」「今の自分に自信が持てない」「ビジネススキルを学びたいけれど、何から始めたらいいのかわからない」本書は、そんな悩みを抱える若手ビジネスパーソンに向けて、日本有数のビジネススクールであるグロービスの教授陣が書き下ろした「ビジネ..

「教える」のではなく「シェアする」意識

よく言われることですが、何かに熟達したいと思ったら、だれにでもできる方法があります。他人に教えることです。ただ、どうもこの「教える」というのはハードルが高いです。つい、自分に「他人に教える程の知識があるのか」と疑問に思っちゃいますので。でも、実は誰にでもできることなんです。「教える」こと子供の頃に、「先生が生徒に教える」というイメージがついているので、ある程度熟達した人が、未熟な人に対してやる行為みたいな気がします。..

「以下の通り」は使わない

複数の情報を書くときに、つい「以下の通り」って言葉を使いたくなります。実際にメールやレポートなどでよく見かけます。でも、これって冗長で、意味のない上に、「あとで説明するから」的な文章になってしまって、読みにくくなります。これを使わないように文章を構成すると、読みやすいスッキリした文章がかけると思っています。結構多用されているので、あまり気に留めていない人も少なくないみたいですが。説明は概要→詳細が基本『ロジカル..

部下からの不平不満は上司の勲章

『課長のルール』という書籍から。部下に嫌われることを恐れるな誰だって人から嫌われたくはありません。部下とも末長く仲良くやっていきたいものなのですが、最近の若い世代は少々事情が許さなくなってきているようです。::(中略):おそらく部下に気を遣って気が引ける場面も多いことでしよう。しかし、部下に遠慮するのは絶対に禁物です(変に高圧的になってもだめですが)。さらにちよ..

相手の態度から本音を見抜く方法

相手の態度から「こんな風に考えてるかも…」「こんな人かも…」というのはなんとなくわかりますよね。おそらく子供の頃からの対人経験によって培われてきたものだとは思いますが、きちんと因果関係を説明はしにくいものです(あくまでも経験値なので)。どんな行為がどんな意味を持っているのかは、その場にいる人やその時の雰囲気によって変化するものではありますが、ある程度共通のパターンがあります。それを言葉にすると、もう少し明確にその人の..

社内研修の講師になる

別の記事でも書いてますが、人に教えるというのは最高の勉強方法です。ただし、隣の後輩に「あ〜君、ドラッカーのマネジメントについて教えてあげるよ」と言ったらなにが起きるか、まぁ想像がつきますよね。社内研修たぶん社内研修ってあるでしょう。社員だけを集めていろんなことを教える研修です。その講師は、内容によっては社外から招くこともあるとは思いますが、会社の実務に沿ってというとやっぱり社員を講師にするということも多いかと思います。その講師..

通勤どこでも仕事術:平積みにしておくと読書モチベーションが復活する

ちょっとした読書量を増やすためのハックをご紹介します。読書通勤を習慣化する仕組みづくり毎日一冊は本を読んでいますが、実は通勤中に本を読むことをしなかった時期は、ほとんど本を読むこともありませんでした。月一冊も読めば良いほうだったと思います。そう考えると、ほとんどの本を通勤中に読んでいるわけです。私の読書の習慣が続いている秘訣をここでご紹介します。まず、複数の本を積ん読..

大勢の前でプレゼンするときはZ目線が有効

大勢の前で何か話そうとするとかなり緊張します。1対1で話すときでも多少は緊張していますが、ちょっと大きな会議で発表をしたり、そこで何かコメントしようとしたりすると、もうドキドキが止まりません。だんだん職位が上がってくると、こういう場面が多くなるのですが、やっぱり苦手っていう感覚は否めません。もちろん、昔と比べると多少は良くなりましたが…。Z目線のテクニックそういうときには、いろいろなテクニックをあれこれ思い出しながら、テクニッ..