職場では、「ボランティア」のようなこともしなければなりません。

たとえば、社内の親睦会の委員とか宴会や旅行、ゴルフコンペの幹事とかがそうです。

参加する側は気楽でいいのですが、幹事となると大変です。
就業中に打ち合わせができるわけはなく、終業後に委員が集まって、まったくの手弁当で企画を考え、ときには旅行代理店で打ち合わせをしたりするわけです。

参加費を集めるだけでも、参加者が席にいるときに回ってお金を集めたり、そのお金を無くさないよう、計算を間違えないようにするだけでも気をすり減らします。

[縁の下の力持ち」という言葉がふさわしいのだ、と思います。

「好きでやっているんだろ?」と冷めた目で見る人もいるかもしれませんが、人というのは公平に見ているものです。
ただでさえ忙しいビジネスパーソンが、自分の時問を返上して仲間のために奔走しているのですから、リスペクト、まではいかなくても、ありがたいな、すごいな、と思うはずです。少なくとも、私はそうです。

■明元素


こういう仕事(?)を貰う人の素養として明元素という言葉があります。

 明 明るく
 元 元気で
 素 素直

をつなげた言葉なのですが、これは若いサラリーマンとして非常にいいスキルです。

こういう人は、やっている時には「便利屋」かのように扱われるのですが、長じると「仕事のハブ」になる人が多いです。


■社内人脈は昇進の要素


そして、時々書いてますが、仕事ができるようになって、昇進ししていく人はほぼ必ず、「社内に知己の人がおおい」という特徴があります。
これはこういう、仕事外でのつながりがあったためというのが少なくありません。

つまり、何かに困ったときに、

 全然関係ない部署でノウハウを持つ人を知っており、人脈とその人に頼めるだけの貸しがあること

これが昇進する条件のひとつです。

これが交渉力の源泉でもあります。

 「そんな急な依頼に応えられるか。無茶をいうなと突き返せ」
 「○○君が頼みに来てるんですよ」
 「あいつかしょうがないな。相談に乗ってやれ」

こうなればあなたは交渉の達人になれます。

■えこひいきされる


仕事をするのは人間です。

見も知らない人から、ちょっとでも無理そうなことを言われたら断りますよ。

でも、目をかけた人間は特別扱いする。組織というのはそういうものです。

これを「えこひいき」といいます。それを悪い意味で使うのであれば、そういう生き方もアリです。ただし、それによって結果が違ってきても、「自分はえこひいきされなかった」のを理由にはしないこと。

私は「えこひいき」されるのが好きでした。そのために努力もしました。
だから逆に言えば、今の会社をクビになったら、使いものにならないかもしれませんね。

ですから、特に若いサラリーマンは、

 「宴会の幹事?この忙しい中、やってられるか!」

と言わずに、

 「東奔西走、覚悟しています」という心意気で引き受けてこそ

と考えることが、会社で生き残り、そこそこの地位をもらうコツのひとつです。

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