ちょっと以下の昔話(ももたろう)を読んでみてください。
★――――――――――――――――――――――――――
むかし、むかしあるところに、おじいさんと、おばあさんがすんで、いました。

ある日おじいさんは、山へ芝刈りにおばあさんは、川へ、洗濯に行きました。
おばあさんが、川で洗濯をしていると大きな桃が、どんぶらコッコとながれて、来ました。
――――――――――――――――――――――――――★


こちらもどうぞ

★――――――――――――――――――――――――――
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがすんでいました。

ある日、おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃がどんぶらコッコとながれて来ました。
――――――――――――――――――――――――――★


ただ句読点の位置を変えただけですが、後者のほうが読みやすかったのではないでしょうか。

注意したいのは

 意味の区切り

です。

次は、朝日新聞の社説の引用(元はこちらから)

★――――――――――――――――――――――――――
広島市北部の土砂災害で多くの犠牲者が出た。広島県では15年前、32人が犠牲になる豪雨があり、国が土砂災害防止法を制定するきっかけになった。その教訓が生かされなかったことは痛恨の極みだ。

今回、土砂が崩れた場所の多くは、法に基づく警戒区域に指定されていなかった。広島市が避難を勧告したのは災害発生後。現場では二次崩壊が起き、消防署員が亡くなった。

なぜこんなことになったのか。徹底した検証が必要だ。

積乱雲が急に発達し、1時間100ミリを超す猛烈な雨になったのは未明だった。とはいえ、土砂災害は、累積の降水量が大きく影響する。広島市では今月上旬以降、降水量が平年の3倍強。豪雨がピークを迎える前に、気象台から土砂災害警戒情報は出ていた。
――――――――――――――――――――――――――★


これの改行位置をちょっといじってみます。


★――――――――――――――――――――――――――
広島市北部の土砂災害で多くの犠牲者が出た。
広島県では15年前、32人が犠牲になる豪雨があり、

国が土砂災害防止法を制定するきっかけになった。その教訓が生かされなかったことは痛恨の極みだ。今回、土砂が崩れた場所の多くは、法に基づく警戒区域に指定されていなかった。

広島市が避難を勧告したのは災害発生後。現場では二次崩壊が起き、消防署員が亡くなった。なぜこんなことになったのか。徹底した検証が必要だ。積乱雲が急に発達し、1時間100ミリを超す猛烈な雨になったのは未明だった。とはいえ、土砂災害は、累積の降水量が大きく影響する。広島市では今月上旬以降、降水量が平年の3倍強。豪雨がピークを迎える前に、気象台から土砂災害警戒情報は出ていた。
――――――――――――――――――――――――――★


ちょっと引用が短いので分かり難いかもしれませんが、後者のほうが読みにくかったのではないでしょうか。
※文章は全く変えていません。

■意味で区切る


読みにくかった理由が、

 文章を読んで理解するときに意味のブロックで記憶している

という人の特性があります。いわゆる「チャンク」というのを作ってるんですね。

このチャンクを作る手がかりが、文章の塊なんですよ。
塊というのは、パッと見て文章がひとかたまりに見える単位。つまり、行で言えば空白行。1行の中で言えば句読点が塊を作るための空白を作ってるんですね。

このため、句読点や改行(空白行)が変な位置に置かれると、同じ文章でも短期記憶が混乱して意味が取りにくくなります。

だからと言って

★――――――――――――――――――――――――――
広島市北部の土砂災害で多くの犠牲者が出た。広島県では15年前、32人が犠牲になる豪雨があり、国が土砂災害防止法を制定するきっかけになった。その教訓が生かされなかったことは痛恨の極みだ。今回、土砂が崩れた場所の多くは、法に基づく警戒区域に指定されていなかった。広島市が避難を勧告したのは災害発生後。現場では二次崩壊が起き、消防署員が亡くなった。なぜこんなことになったのか。徹底した検証が必要だ。積乱雲が急に発達し、1時間100ミリを超す猛烈な雨になったのは未明だった。とはいえ、土砂災害は、累積の降水量が大きく影響する。広島市では今月上旬以降、降水量が平年の3倍強。豪雨がピークを迎える前に、気象台から土砂災害警戒情報は出ていた。
――――――――――――――――――――――――――★


みたいにあまりにも長い塊を作られても読む気が起きませんよね。

読みにくい人の文章は、こういう風に書かれていることが少なくありません。

■話し言葉は、発音と間で決まる


話し言葉の説得力は、発音がいいことと、文章の間のとり方(句読点・空白行に相当)でかなりの割合決まります。

単調に原稿を読んでいる人は眠くなるけど、スティーブ・ジョブズが同じ文章を話すと、ギンギンに聞きたくなるんですよ。

発音が悪いと「シャチョー」が「車長」に聞こえたり「斜塔」に聞こえたりします。
聞いている人はそのたびに、文脈を解析してその単語を特定していかないといけないわけです。そうすると言葉は流れていってしまうので、次の言葉を聞き漏らしたりして、結局全体で何がいいたいかを把握し損なうことになるんですね。

アナウンサーはただ単に原稿を読んでいるだけですが(最近はそうでもないみたいですが)、知的に見えますよね。
滑舌のためのトレーニングをちゃんとしているから、というのも理由のひとつではないかと思います。


 意味のかたまり(チャンク)ごとに文章や発言を区切る

注意して使うと、「知的な」という評価がもらいやすくなります。
※別にボイストレーニング教室の回し者というわけではありませんが、一度でもボイストレーニングを受けたことがあれば、その違いは実感できると思います。

適切な句読点で区切るトレーニングをしましょう。
トレーニングには他人(私レベルではなく文筆業の人)の書いた文章を句読点の置き方に気をつけて読んでみる、自分ならこうすると考えながら書いてみるのが一番の近道です。

■同じテーマの記事

昇進面接:なぜ昇進が課長止まりなのか

毎年、社内の昇進昇格の面接官をやってます。課長止まり多くのサラリーマンは長年務めると、「長」のつく役職にあがるか、その直前くらいまでにはなります。ただ、そこから上に行くためには、かなり厳しい。いわゆる「ピーターの法則」ってやつですね。でも、それだけじゃないんですよ。いろいろな人の面接をしてきて、簡単に合格レベルだと判断できる人は実際ごくわずかで、結構みんな「ん〜。どうしよう」って悩みます。もちろん、ポストの数の問題というのもあります。課長以上のポストというのは簡単に..

昇進面接:申告書は隙間をコントロールする

転職では「応募書類」「エントリーシート」「履歴書」、昇進・昇格では「自己申告書」などと呼ばれると思いますが、「自分の職歴はで、こんな実績がある」とかくやつ、ここでは全部ひっくるめて「申告書」と呼びます。申告書の空白私は、申告書を審査する側になって随分になります。いろいろな申告書を見てきましたが、残念な申告書が少なくありません。今、思い出すと・自由記述のところに空白が多い・日本語として文章が成り立ってない・句読点の位置がおかし..

文章のコツ6:同じ言葉を使う

仕事で使える文章のちょっとしたコツをご紹介してます。どうも日本語というのは、母国語で話し慣れているので、あまり意識しなくてもそれなりの文章が話せたり、書けたりします。ところがちゃんと勉強してみると、以外に知らないことが少なくありません。前回は「和語」「漢語」の記事でも書きましたが、同じような意味で2つの単語を使うと混乱を招く場合があります。同じ単語を使う時々見かけますが、同じことを言い表すのに異なる単語を使ってしまう時がありま..

文章のコツ4:「である」調と「ですます」調

どうも日本語というのは、母国語で話し慣れているので、あまり意識しなくてもそれなりの文章が話せたり、書けたりします。ところがちゃんと勉強してみると、以外に知らないことが少なくありません。ちょっとだけわかりやすい文章を書くためのコツのひとつに、文体を揃えるという事があります。ネットで辞書を引いてみると、文体1 文章の様式。口語体・文語体・和文体・漢文体・書簡体・論文体など。2 その作者にみられる特有な文章表現上の特色..

文章のコツ1:接続詞の使い方で意味が変わる

どうも日本語というのは、母国語で話し慣れているので、あまり意識しなくてもそれなりの文章が話せたり、書けたりします。ところがちゃんと勉強してみると、以外に知らないことが少なくありません。ちょっとだけわかりやすい文章を書くためのコツのひとつ、「接続詞」について考えてみたいと思います。当然ながら、文章というのは複数の文で成り立っており、少し細かく見ると、文と文がつながって出来上がっています。そこで文と文とをつなぐもの、それが「接続詞」です。この接続詞を正しく使えると、論理的..

読みやすい文章は句読点と意味分節がうまい

ちょっと以下の昔話(ももたろう)を読んでみてください。むかし、むかしあるところに、おじいさんと、おばあさんがすんで、いました。ある日おじいさんは、山へ芝刈りにおばあさんは、川へ、洗濯に行きました。おばあさんが、川で洗濯をしていると大きな桃が、どんぶらコッコとながれて、来ました。こちらもどうぞむかしむかし、ある..

昇進・昇格申告書:受け身表現を使うな

面接官をしていて、「この人なんだか積極性がないなあ」と思うことがあります。最近その理由に1つ気が付きました。主体性・自発性を疑われる受け身表現われわれ日本人は、会話にも文章にも受動態(受け身)表現をよく使う。周囲に対して受け身の姿勢をとるのが好きなのかも知れない。気にする人は少ないが、自分のことを言う際の受動態表現は、発言や文章にネガティブな雰囲気をもたらす。:欧..

面接は「エライ人」で決まる

先日、ある面接者と雑談をしていた時、ふとその人の勘違いに気がついたので、ちょっとネタにしてみます。勘違い面接の合否はどのように決まっているかご存じですか?実際ルール的には会社によって差があるのですが、最低点が合格条件をクリアしている平均点が合格条件をクリアしている突出したスキルが認められるの3パターンでしょうか。ただ、評価点が決まるのは、評価の打合せ(面接の直後に面接官だけで行う評価点すり合わせ)で最初に発言した人の意見最も職位が高い人の意見です。これを、..

PREP読書術

以前の記事にも書きましたが、私は年間200〜250冊程度の本を読みます。7割以上がビジネス書なのですが、本を読んだあとには、必ず感想文を書くようにしてます。この感想文に本の要約を書くようになって気がついたのですが、「ビジネス書の構成はどれも似たようなものだ」ということ。これがそのものズバリが書いてある本がありました。大事なことはすべて記録しなさいでは、 200 べージ以上ある本のほとんどは何で構成されている..

近道をする

私は基本怠け者です。何をするにしても、楽にできる事のほうが好きです。どこの誰だったか忘れちゃいましたが、こんな事(記憶なので、間違いが多いかも)が書いてあるページを見た記憶があります。私は近道が大好きだ。何ごとも簡単にできるに越したことはない。私も怠け者は好きではない。努力は尊いものだということも理解している。だが、すぐそばにロープウェイがあるのにわざわざ自分の足で山に登っても特別な勲章には値しない。..